長岐俊彦・アトピー教室

アトピーを自分でなおす

アトピーを自分でなおす

乾燥性皮膚炎の方へ

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っており、そのササクレによってかゆみを感じる神経が成長し、敏感になっています。そのササクレに異物が入り込んだり、あるいは皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経が敏感に反応してかゆみが起きます。
ちなみに冬にひどくなる方が多いのは、寒くなると発汗が減り、また空気も乾燥しているので肌の乾燥が進み、ササクレがさらにひどくなるからです。
また強いストレスを感じるとかゆみが起きるのは、皮膚の血流が増えてかゆみの神経を目覚めさせるからです。

つまり、かゆみのイチバンの原因は「乾燥肌によるササクレ」にあります。また、乾燥肌の原因は「皮脂」の分泌能力が低いからです。乾燥肌は体質ですから、簡単に治せるものではありませんが、ササクレは防ぐことができます。それは、皮脂の代わりに「油分」で乾燥肌をタップリと保湿し、シットリ肌にしてあげることです。

*ただし、湿潤性皮膚炎(乳児期に多い)には不向きですのでご注意ください。

入浴+保湿+睡眠で、皮膚が生まれ変わる

乾燥肌をシットリ肌に変えるためには、次の五つがキーポイントです。

①表面の古い角質(皮膚の表面細胞)を落とす。
②角質に水分を含ませる。
③水分を含んだ角質をオイルで保湿する。
④肌の水分の蒸発を防ぐために、衣類でカバーする。
⑤ぐっすりと眠り、新しい皮膚細胞の生まれ変わりを促す。

これを実行するためには「入浴」と「オイルの保湿」と「睡眠」の組み合わせが必要です。睡眠がキーポイントというと意外に思われるかも知れませんが、炎症の無いきれいな皮膚(細胞)の生まれ変わりは睡眠中にしか行われないからです。

◆保湿オイル
 保湿オイルは次のどれかを試してみて、これが自分に合っていると思うものを使用してください。  

①植物性グリセリン あるいは ワセリン
薬局で買えます。
劣化を防ぐために容量の少ないものにします。

②ベビーオイル
   添加物の少ないものを選んでください。
   試してみて、アレルギー反応が出ないものにしてください。

 ③馬油(純度100%のもの)

④自分が現在使用しているオイルで問題がないもの(非ステロイド系)

☆ほかにもいくつかの保湿剤を試してみて、皮膚炎の症状が悪化しないものを選んでください。

◆夜のお手入れ法
①ぬる目のお風呂にゆっくりと入ります。
②古い角質を柔らかいタオルと石鹸で軽く洗い流します。
*強いアカスリはカユミを招くので禁止です。
③体を洗った後も浴槽で角質を十分にゆるめるようにしましょう。
*熱いお風呂は入浴後にカユミが起きるので禁止です。
④湯上りは、肌に水分が残るように体をさっと拭くだけにします。
 *目の洗いバスタオルは使わないでください。
⑤皮膚が湿っている間に、炎症部分に保湿オイルをたっぷり塗ります。必ず、湯上りの三分以内に塗ってください。その理由は、湯上りの肌は皮脂が無くなっているので、とても乾燥しやすいからです。
*保湿オイルはタップリ塗るのがポイントです。
⑥体の炎症には、オイルを塗った上に長袖の肌着を着て患部をカバーしてください。肌着は裏返し(縫い目を表側)に着ると肌を刺激しません。素材はシルクか木綿がおすすめです。
⑦首の炎症には、ベビー用のガーゼタオルなどの柔らかい布でネックカバーを工夫してください。
⑧手の炎症には、手袋でカバーしてください。
⑨顔には、化粧用のフェイスマスクを使用してください。
*ただし、化粧水などを含まないものを選んでください。
⑩布団に入ったら、イチバンらくな姿勢で「ストレスを消す呼吸法」を行ってください。ストレスが消えて自然に眠りにつくことができます。

<ストレスを消す呼吸法/後述のベンソン博士の呼吸法をご覧ください>

☆深い眠りは、皮膚の生まれ変わりや自己治癒力を高めてくれます。

皮膚炎の改善や肌質の生まれ変わりは睡眠中に行われます。睡眠前の入浴と保湿は、できるだけ続けるようにしましょう。この方法によって、目に見えて皮膚の状態が改善されていきます。ただし、皮膚の状態が良くなっても、皮膚が完全に生まれ変わるまでオイル保湿は必ず続けるようにしてください。

◆日中のお手入れ法
①グリセリンを蒸留水などで薄めたものか、ベビーオイルを肌に塗ってください。
 *ベビーオイルはそのまま薄めずに塗ります。
②薄め方は、塗った後で肌のベタツキが気にならない程度に工夫してください。
③ペーパーミントのエッセンス(精油)を少し混ぜると、かゆみの防止とストレス解消の効果があります。
④肌に触れる衣類の素材は、シルクやコットンなどの天然繊維のものにしましょう。
⑤外出時にも保湿オイルを携帯し、こまめに患部に塗るようにしてください。

<日中用の手づくりオイルのつくりかた>
  
◆用意するもの
・植物性のグリセリン(薬局で買えます。容量の少ないものにします)  
   ・蒸留水(薬局で購入)
   ・ペパーミントの精油(ハーブの専門店で購入) 
   ・清潔な容器 
   ・熱湯消毒した小さめのスプーン
   ・スプレー容器

①きれいな容器に蒸留水とグリセリンを入れ、良くかき混ぜてから、最後にペパーミントオイルを加えます。

・蒸留水かミネラルウォーター:7~8割
・グリセリン:2~3割
・ペパーミントオイル:1~2滴

②出来上がったものをスプレー容器に入れます。

ミントオイルの量は、アレルギー反応、炎症への刺激などを見ながら、ご自分に合った量を判断してください。
一回につくる量は、スプレー剤の劣化を防ぐために3日分ぐらいを目安にしてください。つくったものは冷蔵庫に保管し、使用期限は1週間程度にしてください。

塩水のお風呂に入る

 乾燥性皮膚炎の方におすすめの方法です。
塩水のお風呂に入るのは、乾燥肌の角質に水分を吸収させることが目的です。塩水は皮膚の角質に浸透するので、アトピー性皮膚炎の原因の一つである乾燥肌に潤いを与えてくれます。湯上りには塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
 入浴後のシットリとした肌にすばやく保湿オイルを塗ると、シットリ肌を保つことができます。

*ただし、炎症がひどくて塩水がしみる方は禁止です。 

<塩水入浴>
①お湯を入れたバスタブに荒塩を入れます。
  なめてみて塩分を感じる程度の濃さにします。
  ただし、炎症にしみない程度にします。
②温度は38~39℃。(発汗しない程度)
  冬の間は体が冷えないように温かめ(軽く汗ばむ温度)にします。
③30~40分程度、ゆっくりとお湯につかります。
 ④アカスリはしないようにしてください。柔らかいタオルと石鹸で軽く汚れを落とします。
⑤湯上りは、塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
⑥体を拭いたら、すぐに患部に保湿オイルをたっぷり塗ります。

☆この入浴法の目的は、湯上りの「保湿」にあります。
☆入浴によって皮脂が無くなり、肌は乾燥しやすくなっています。保湿を忘れると逆効果になるので要注意です。
  
 ☆塩水以外のおすすめは、ラベンダーの入浴剤です。ラベンダーは皮膚炎の改善に効果があります。

ミストサウナで発汗能力を高める

乾燥肌の人の皮膚には汗や皮脂を出す「汗腺」や「皮脂腺」が少なく、自分の能力で肌を潤すことができません。
そこで有効なのはサウナです。できればミスト(蒸気)サウナで、じっくりと汗を出す訓練を繰り返すと「汗腺」が発達して、乾燥肌が改善されていきます。

 ☆ドライサウナの場合は「低温サウナ」をご利用ください。
 ☆入浴後の「オイル保湿」を忘れないようにしてください。

皮膚を日光にあてる

日光に含まれる紫外線には、皮膚を肥厚させて、皮膚の機能を改善する作用がありま
す。また、皮膚炎に寄生した細菌を殺菌する作用があります。

 *ただし、日光過敏症の方、乳幼児は禁止です。

 ①温かい季節に、患部を日光(紫外線)に当てます。 
  日光に当たる時は、事前に必ず保湿剤や化粧品などを落としてください。
②春・秋は20~30分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
  夏は15~20分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
 ③日差しの強いときは、日陰で日光浴します。
④日光浴で発汗した場合は、必ずぬるめのシャワーを浴びて汗を流してください。
 *シャワーの後の保湿オイルを忘れないでください。

 ☆日光浴の間は、サングラスなどで目を保護してください。
 ☆日光浴の間隔は2日間あけてください。
 
☆塩水の入浴に続けて日光を浴び、その後、上がり湯を浴びて保湿するのが、最も効果的です。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
☆夏に海水浴に行くとアトピー性皮膚炎が軽減するのは、これと同じ効果です。
☆寒い季節は、人工日焼けのライトを照射するのも、日光浴と同じ効果を得ることができます。

かゆみを鎮める方法を覚える

かゆみが出たら、あわてずに患部を冷やします。濡らしたハンカチやおしぼりにペパーミントオイルを含ませておくと効果的です。ミント入りの保湿スプレーを患部に散布するのも効果的です。かゆみが鎮まったら、皮膚の乾燥を防ぐために、日中用の保湿オイルを塗ってください。  
 患部から離れた別の部分を冷やすのも効果的です。かゆみを感じている意識が冷やし
た部分に移動するので、かゆみを忘れることができます。
ヘッドホンステレオなどで、気持ちが鎮まる音楽を聴くのも効果的です。音量は低く
して聴くことに意識を集中させます。(かゆみを忘れることが目的) 
静かな呼吸の繰り返しにも、興奮を鎮める効果があります。

ストレスをかわす、ためない

免疫を混乱させ、かゆみを発症させる原因はストレスです。
①家族間のストレスを無くすように、十分に話し合いましょう。
②仕事上や対人関係のストレスをかわすためには、「ストレスを消す呼吸法」が効果的です。 
③くよくよしない、趣味を持つ、などの気持ちの切り替え法を身につけておきます。
④何かにつけて頼りにするお守りを持ち歩く、などの自己暗示法も効果的です。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクセーション法)
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士によって考案されたもので、リラクセーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすいものです。

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

食生活を改善する

アトピー体質の原因の一つは悪い食生活にあります。極端な偏食や、緑黄色野菜の不足、カルシウムの不足。それに加えて、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水の摂り過ぎなどが肌質を悪くし、また農薬や加工食品に使用されて化学物質が免疫を混乱させる原因になっています。
食べ物は自分自身のからだ(体質)をつくる材料です。できるだけ質の良いものを選ぶようにしてください。

①ビタミン・ミネラルを十分に摂る
季節の新鮮な野菜を多く食べるようにしてください。
各種ビタミン・ミネラルは皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。特に現代の日本人は、皮膚の健康に重要な役割を果たしているビタミンB2が不足しているといわれます。その原因は、精白米を食べるようになったからです。
玄米や雑穀などの未精白の穀類を主食にして、緑黄色野菜(人参や小松菜など)や海草を豊富に摂れば、ビタミン・ミネラルの不足がなくなり、肌質の改善に役立ちます。

②食物繊維を多く摂って便通を良くする
便秘が長く続くと、有害物が体内に吸収され、皮膚に悪影響を与えます。玄米や緑黄色野菜、海草などの食物繊維の多い食品は便通を良くしてくれます。また、植物油は腸管のすべりを良くして排便を促してくれます。

◆おすすめの食品
玄米、雑穀、ニンジン、小松菜、キャベツ、ピーマン、みつば、かぼちゃ、さやえんどう、玉ねぎ、大根、ごぼう、かぶ、れんこん、すりごま、小魚、わかめ、ひじき、昆布、エキストラバージン・オリーブオイル

☆エキストラバージンのオリーブオイルは、良質の油分に各種のビタミンなどを豊富に含んでいるので、肌質の改善に役立ちます。サラダドレッシングや焼き野菜にふりかけるなどして、加熱しないで食べてください。煎りゴマを良くすりおろしてペーストをつくり、お料理に使うのもおすすめです。

③アレルギーを起こす食品を避ける
④無農薬(低農薬)の食品を選び、インスタント食品などを避ける
⑤白砂糖、お菓子類、清涼飲料水を摂りすぎない
⑥脂肪の多い肉類、揚げ物などを減らす
⑦香辛料やお酒は避ける
⑧塩分の強い食べ物は避ける
⑨冷え性を改善する

アトピー体質の改善には、食生活の改善と運動の組み合わせがおすすめです。

スポーツで自分に自信をつける

アトピーの改善のためには、ストレスに弱い性格を変える必要があります。スポーツには精神力を強化する効果があります。
 
精神力の強化法
イチバン簡単な運動はウォーキングです。
精神力の強化には、空手や合気道などの武道や、スロージョギング、トレッキング(山歩き)などが有効です。
ただし、スポーツは他人と競争するのではなく、マイペースで行ってください。一つのことをやり遂げることが、自信につながり、精神力を鍛えます。
競争はストレスやコンプレックスを強めることになります。

☆スポーツの汗は洗い流してください。その後の保湿を忘れないでください。
 水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。シャワーしかない場合には、お湯でしぼった濡れタオルで拭いてください。
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# by nagaki-toshihiko | 2010-08-01 15:15 | アトピーを自分でなおす

サンタマリアクリニック-2

サンタマリアクリニックー1 より続く

サンタマリアクリニック-2


弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法


子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法


「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
 ・その結果として、皮膚の機能が再生される
 ・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
 ・体内でビタミンDを生成させる
 ・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
 ・温熱作用で皮膚の血行を良くする
 ・皮膚の組織を柔らかくする
 ・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法


死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法


乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については「ミュンヘン工科大学・リング博士」をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすいものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)


静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


◆SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:38 | サンタマリアクリニック-2

サンタマリアクリニック-続き

弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法

子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出
し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法

「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
 紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
・その結果として、皮膚の機能が再生される
・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
・体内でビタミンDを生成させる
・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
・温熱作用で皮膚の血行を良くする
・皮膚の組織を柔らかくする
・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法

死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法

乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については、×××をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

 喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士
によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすい
ものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

 それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:33

サンタマリアクリニック-続き

弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法

子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出
し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法

「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
 紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
・その結果として、皮膚の機能が再生される
・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
・体内でビタミンDを生成させる
・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
・温熱作用で皮膚の血行を良くする
・皮膚の組織を柔らかくする
・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法

死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法

乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については、×××をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

 喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士
によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすい
ものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

 それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:22

サンタマリアクリニック-2

弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法

子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出
し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法

「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
 紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
・その結果として、皮膚の機能が再生される
・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
・体内でビタミンDを生成させる
・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
・温熱作用で皮膚の血行を良くする
・皮膚の組織を柔らかくする
・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法

死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法

乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については、×××をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

 喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士
によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすい
ものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

 それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:19

サンタマリアクリニック-2

弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法

子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出
し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法

「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
 紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
・その結果として、皮膚の機能が再生される
・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
・体内でビタミンDを生成させる
・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
・温熱作用で皮膚の血行を良くする
・皮膚の組織を柔らかくする
・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法

死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法

乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については、×××をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

 喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士
によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすい
ものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

 それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:14

サンタマリアクリニック-2

弱いこころと免疫力を鍛える
クナイプ式水療法

子供たちは、毎日一回、海水パンツ一つになり、クナイプ式の水療法を行います。
クナイプ式水療法は、水温(冷水・温水)による刺激や、水流、水圧などを利用して
体のさまざまな生理反応を引き出す治療法です。この治療法には、血液の循環を高める、精神力を強化する、免疫力や自己治癒力を高める、などの作用があり、アトピー体質の改善に役立つといいます。
このクリニックで子供たちが行う水療法は、温冷の交互浴と、冷水の歩行浴です。

●温冷・交互浴(足浴・腕浴)
始めは、足(膝下部分)を39~40℃の温水に約2~3分間入れます。
次に、同じ足を15℃位の冷水に約30秒間入れます。
これを3~5回繰り返し、最後は、必ず冷水で終えます。終了後は、水滴を払う程度にします。
腕浴も同様に行います。
この温冷の交互浴は自律神経の調整にも役立つといいます。

●冷水・歩行足浴
膝下までの冷水の中を、水鳥のサギのように、足をいったん水から完全に引き上げ、再び、つま先から足を冷水に入れる…をくり返しながら歩きます。歩行時間は5分位で、水槽を3周します。終了後は、足はタオルなどで拭かずに、水滴を払う程度にして靴下をはきます。

●冷水・腕浴
肘上から腕を冷水につけます。約1~2分間(水温によって自分で調整)。歩行足浴と同様に、終了後は水滴を払う程度にします。

冷水の刺激には、皮膚の感知反応をきっかけにして、神経系の反応、ホルモン系の反応、免疫系の反応、精神面の反応など、生体のさまざまな生理反応(特に体の防御反応や修復反応)を引き出す作用があります。

◆冷水(刺激)に対する生体反応
・皮膚の反応(感覚器官)を動かす
・神経系の反応を動かす
・内分泌系(ホルモン)の反応を動かす
・免疫系の反応を動かす
・精神面の反応を動かす

瞬間的に受ける冷水の刺激は、身が縮むほどとても強烈なものです。その刺激を体の異常事態として脳が認識して、生体防御システムのスイッチを入れます。その結果、刺激を受けた部位の血液の循環が活発になり、続いて体温が上昇を始め、その部位が温まってくると、最初の不快感がやがて心地良い感覚に変わっていきます。
このように、不快感から快感へと移行していく体の複合反応は、自己治癒力を引き出
し、また体の修復活動を促すといいます。

◆クナイプ式水療法の生理作用
・血液の循環を高める
・自律神経を調整する
・免疫力を高める
・自己治癒力を高める
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

冷水の歩行足浴は、実際のところ、ぞっとするほど冷たい水の中を歩くわけですが、養護師さんが見守る中で、先に歩く年長者を真似しながらサギ足歩きに挑戦している小さな子供たちの姿は、とてもほほえましいものです。

問題は乾燥肌とストレス

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。
乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っていて、そのササクレによって、カユミを感じる神経が成長して敏感になっています。その状態に精神的なストレスが重なると、「皮膚の免疫システムが混乱」して、過剰反応を起こすようになります。そして、角質のササクレから異物が入り込んだり、あるいは精神的に興奮したり、皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経がさらに敏感になり、カユミが起きます。そのカユミを我慢できずにかきむしるので、「皮膚炎」を悪化させていきます。

アトピー性皮膚炎は、「皮膚」の部分を考えただけでも「乾燥肌の体質」「皮膚の免疫の混乱」「皮膚の炎症」、という三つの大きな問題を抱えています。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、この三つに対する対策が必要になります。

◆アトピー肌が抱える問題
・乾燥肌の体質
・皮膚の免疫の混乱
・皮膚の炎症

皮膚の機能を再生させる
光線(紫外線)療法

「皮膚の炎症」と「免疫の混乱」を改善する治療法の一つに、光線(紫外線)療法があります。
ドイツのアトピークリニックで一般的に使用されている光線療法の装置には、2種類があります。一つは、太陽光線と同じように可視光線(目に見える光)と紫外線A波、紫外線B波(少量)、赤外線(少量)を含んだ光線を照射するタイプと、もう一つは、紫外線のみを照射するタイプです。太陽光線と同じ光線のものはフルスペクトルライト、紫外線だけを照射するタイプは(紫外線は目に見えないので)ブラックライトといいます。
 紫外線には殺菌力があるので、炎症に寄生している細菌の繁殖を防いでくれます。また、紫外線のエネルギーは皮膚の内部まで浸透して細胞を刺激し、皮膚の血行を促進して、皮膚の組織を肥厚させる働きをします。その結果として、皮膚の役目であるさまざまな機能が徐々に再生されて、免疫システムの異状が改善され、皮膚の発汗力や保湿力などが向上していくと考えられています。
太陽光線と同じフルスペクトルライトには、紫外線の作用の他に、可視光線の作用によって気持ちを明るくする、ホルモンの分泌を活発にする、自律神経の調整をする、などの作用があります。また、赤外線の温熱作用によって肌の発汗力を高める効果もあります。
光線の照射には、患部が小さい場合は小型の照射器を、患部が全身に及ぶ場合には全身用の照射装置を使用します。
 
*小さな子供の場合は、肌の感受性が強すぎるので、紫外線療法は行いません。
*紫外線過敏症の方にも、紫外線療法は行いません。

◆紫外線の生理作用
 ・炎症に寄生する細菌の繁殖を防ぐ
 ・皮膚の組織を肥厚させる
・その結果として、皮膚の機能が再生される
・皮膚の免疫システムの異状が改善される
 ・発汗力や皮脂の分泌力が高まる
・体内でビタミンDを生成させる
・その結果として、カルシウムの吸収が促進される 

◆可視光線の生理作用
 ・気持ちを明るく、前向きにする
 ・各種ホルモンの分泌を高める
 ・自律神経のリズムを調整する

◆赤外線の生理作用
・温熱作用で皮膚の血行を良くする
・皮膚の組織を柔らかくする
・皮脂の分泌能力を高める

真夏の海水浴を想定した
トメサ療法

死海の塩を入れた、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる「トメサ(TOMESA)療法」という治療法もあります。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして水分の吸収を高める作用や、紫外線の感受性を高める作用があります。そのため、より効率的に紫外線のエネルギーを吸収することができます。
夏に海水浴を続けているとアトピー性皮膚炎が改善するケースが多くありますが、「トメサ療法」はその原理を応用したものです。
治療装置は、浴槽の頭上に紫外線を含んだ人工光線の照射装置があります。患者さんは塩水のバスタブに入り、コンピュータの音声に従って体を動かしながら、患部に光線を浴びます。  
光線の照射時間は、患者さんの症状によってセットされます。

ただし、炎症のひどい患者さんの場合は、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用せずに、皮膚の紫外線の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、その薬品を入れたお風呂に入浴させてから光線を照射します。

*この治療法は、紫外線アレルギーの強い患者さんや、幼児には使用しません。

乾燥肌の改善に
サウナや赤外線の温熱療法

乾燥肌の改善に、サウナ浴や赤外線の照射治療も利用されます。
乾燥肌の皮膚は、血液の循環が悪く、発汗能力や皮脂の分泌能力が低下しています。そこで、サウナの温熱作用を利用して、皮膚の血液の循環を良くし、汗を出すことによって汗腺や皮脂腺を発達させていきます。発汗能力はすぐには出来上がりませんが、何回も繰り返している間に、その能力が徐々に形成されていきます。
サウナ浴の入浴法には手順があります。まずは、サウナに入り少し発汗するまで体を温めます。その後、冷水の浴槽に30秒ほど入り、その後、寝椅子で15~20分ほどリラクゼーションします。これを2~3セットくり返します。
また、サウナでの大量発汗は、皮膚を疲労させることになるので、わずかに発汗する程度で止める必用があります。

赤外線には温熱作用があり、皮膚の細胞を温め、血行を高めることで、皮膚の組織の生まれ変わりを促進します。
また、サウナや赤外線照射には、免疫力を強化する作用があります。

つねに皮膚を保湿して乾燥を防ぐ

ところで、アトピー性皮膚炎におけるカユミの原因の一つは乾燥肌です。乾燥肌は本人の体質なので、根本的に改善するのは難しいといえます。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えて、しっとりとした肌にし続ければ、カユミを防ぐことができます。カユミが出なければ、掻かずに済み、皮膚を傷つけることがないので、炎症もおきません。
アトピー性皮膚炎の改善に、絶対に欠かせないのが皮膚の乾燥を防ぐことです。そのためには、アトピーの症状の無いときでも、保湿クリームを塗り、乾燥肌を保湿し続ける必用があります。患者さんは肌の状態の良いときには手入れをおこたりがちですが、肌の保湿を休まずに、肌の良い状態を長続きさせると、カユミも出なくて、アトピーの肌質が改善されていくといいます。
ちなみにドイツでは、保湿クリームはピーナッツ油などの植物性のものにペパーミントなどのハーブの成分を加えたもので、原則的には化学成分やステロイドを含まないものが用いられます。

*ステロイド剤を使用するのはあくまで応急処置で、その場合はインターバル療法という方法をとります。
*インターバル療法については、×××をごらんください。

喘息の発作を抑える治療メニュー 

喘息とアトピー性皮膚炎は、症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、ストレスに弱い性格、低い基礎体力、免疫の混乱など、その根本原因は同じと考えられています。
そのため、根本治療にはアトピー性皮膚炎の治療プログラムと同じように、精神療法、食事療法、運動療法、気候・環境療法、規律療法、クナイプ式水療法などの自然療法が処方されます。

また、喘息そのものの治療には、ハーブの吸引療法(症状に応じてハーブを使い分ける)、塩水の水蒸気(マイナスイオン)の吸引療法、呼吸法の訓練などが行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法
・グループ生活療法

◆呼吸器に対する治療法
・吸引療法(インハレーション)
・呼吸法

気道の緊張を消すインハレーション(吸引療法)

喘息の発作は、気管支がストレスなどの緊張によって過敏反応を起こし、気道が萎縮して起きます。そのため、気道がストレスに対して過敏にならないための治療が行われます。
気道の緊張を防ぐ治療法にインハレーション(吸引療法)があります。
サンタマリア・クリニックでは、このインハレーションに、個別に調合したハーブを利用しています。
一般的なインハレーションでは、塩分を含んだ単純泉を温め、その水蒸気に含まれるマイナスイオンを口と鼻から呼吸器の奥深くまで吸引します。これには、気道のストレスを緩和する、粘膜の免疫を調整する、気管支の炎症を抑える、精神的ストレスを緩和する、血圧を安定させるなどの作用があります。
そこで、喘息や、その他の呼吸器系疾患のほかに、アトピー性皮膚炎のストレスの緩和や、花粉症、高血圧、糖尿病、膠原病などの多くのストレス性疾患の治療にも利用されます。
インハレーションに塩水を使用する理由は、塩水が気化するときに大量のマイナスイオンを発生させるからです。マイナスイオンには、ストレスの沈静作用や、血圧の安定作用、喘息や鼻炎を抑える作用があります。また、細かい水蒸気は、鼻腔や気管支、気道などの呼吸器全般の粘膜をうるおし、緊張をほぐしてくれます。
吸引方法は、口から吸う方法と鼻から吸う方法があります。ハーブを加えた水蒸気を吸引する場合もあります。

インハレーションの方法には、専用の吸引装置から吸引するものや、鍋にハーブと水を入れ、コンロで加熱して発生する水蒸気を吸う方法、1人用の小部屋に水蒸気を充満させてその中で呼吸する方法などがあります。

◆インハレーションの生理作用
・気道のストレスを緩和する
・結果として、喘息の発作を防ぐ
・気管支の炎症を抑える
・粘膜の免疫を調整する
・結果として、花粉症などの鼻炎を改善する
・間質性肺炎など、呼吸器系疾患の進行を抑える
・精神的ストレスを緩和する
・血圧を安定させる
・さまざまなストレス性疾患の症状を緩和させる

発作がおきたときの対処法や
発作を防ぐ呼吸法を覚える

 喘息の子供たちには、喘息の発作がおきたときの対処法が指導されます。一つは、気管支拡張剤の吸引方法です。
また、ストレスや気道の緊張を解消する呼吸法や、リラクゼーションの方法です。

ストレスを解消する呼吸法の一例をご紹介しましょう。
 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士
によって考案されたもので、リラクゼーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすい
ものです。

◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクゼーション法)

静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)
などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。

 それにも増して、高原の新鮮な空気を吸いながら、ストレスに負けないこころと体をつくっていけば、アトピー体質は改善され、喘息から開放されます。

抜群の治療効果の背景は?

何ヵ月かをクリニックで過ごした子供たちも、やがては元の生活に戻っていきます。アレルゲンの少ない快適な環境を離れて日常に戻った後も、症状の出ない状態をキープできるかどうかが治療の成否のものさしになるわけですが、このクリニックで自然療法と生活トレーニングを受けた子どもたちのうち、約7割は一度の滞在でアトピー体質を克服することに成功しているといいます。残りの3割の子どもたちも、2度目の滞在でほとんどがアトピー症状から抜け出すことに成功するそうです。
 
もしも、完全には克服できなかったとしても、治療前に比べて症状のコントロールができるように訓練ができているため、日常生活には困らないといいます。これは、アトピーについて正しい知識の学習や、アレルゲンへの親子の共通認識、カラダによい食生活の学習、ストレスのコントロール法といった、クリニックでの学習や体験が実を結んだ結果といえます。

ところで、このクリニックの費用ですが、治療費はもちろん、滞在費、学校の教育費、その上、付き添いの親の滞在費に至るまで、健康保険でカバーされます。仮にドイツの保険に入っていない日本人が滞在したとして、1日の全費用は約1万3000円程度です。

「アレルギー体質は治らない」と信じ込まされ、ステロイドの対症療法で身も心もぼろぼろになっている…。そんな日本の子供たちが、このような根本治療や、再発を防ぐ生活トレーニングを受けられる日が一日も早く訪れるように、そう願わずにはいられません。


SANTA MARIA KLINIK

Riedlesweg 9
87541 Oberjoch/Allgau Germaney

・0~18才までの子供専門クリニック
・21才までの教育プログラムが可能
・学校教育、及び生活トレーニングのための施設を併設
・患者用ベッド数:200
・付き添い用ベッド数:130

●治療専門領域
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息)
・呼吸器疾患
・心肺機能の強化

●院長
 Dr.Med Akos Gulyas

●スタッフ
・総合医、専門医:8名(4名が小児科・アレルギーの専門医)
・精神療法士:3名
・食事療法士:2名
・自然療法士:3名
・運動療法士:4名
・看護師:25名(夜間:8名)
・薬剤師兼検査技師:3名
・学校教師:12名
・養護士:50名
・その他事務スタッフ
・総スタッフ数:126名
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:06

サンタマリアクリニック-1

アトピー性皮膚炎や喘息を
高原の自然環境と、自然療法で治す


サンタマリア・クリニック

南ドイツ・オーバーヨッホ

高原の自然環境を利用し、自然療法を中心にした治療法と、理想の学校、さまざまな生活トレーニング施設を併設した、夢のようなアトピークリニックをご紹介します。


海抜1200メートルの自然環境が
アトピー体質の改善に役立つ


南ドイツの山岳地帯。その山裾を東西に走るアルペン街道の中間地点にスキー・アルペンリゾートで有名なバード・ヒンディラングがあります。オーバーヨッホは、そのヒンディラングから東へ、幾重にもカーブする急な坂道を登りきった海抜1200メートルの高原にある小さな村です。そこに、自然療法を中心にした治療法と、理想の学校、体質改善のためのさまざまな生活トレーニング施設を併設した、アトピー性疾患専門の「サンタマリア・クリニック」があります。

オーバーヨッホは都市やハイウェイから離れているため、空気がとてもきれいです。また、高原なので植物が少なく、花粉の量が低地の五分の一しかありません。なだらかな山の斜面には緑の牧草地が延々と続き、時折、放牧の牛がカウベルを鳴らしながら道路を横切ったりしています。村にはポツリポツリとわずかに人家があるだけで、とてものどかです。
ここはアレルゲンがとても少なく、アトピー性疾患の患者さんにとって、症状の出にくい理想的な環境です。こうした環境に滞在して、アレルゲンと日常のストレスから開放されるだけでも、アトピーの症状は大きく軽減するといいます。

サンタマリア・クリニックが高原にある理由は、それだけではありません。実は、高原特有の厳しい自然環境と、そこで行う「自然療法」や「生活トレーニング」が、「アトピー体質」や「アトピーになりやすい性格(後述)」の改善にとても有効なのだそうです。
ここでの重要な治療プログラムに、高原を利用した「スポーツ」や「メンタルトレーニング」があります。暖かい季節には、山歩きのトレッキングやサイクリング、冬はスキーなどを利用して、基礎体力や精神力を育むものです。また、水温15℃の冷水の中を歩く「クナイプ式水療法」も重要な治療法の一つです。

では、なぜこのような治療法が重要視されるのでしょうか?

アトピーの原因の一つは
弱いこころと低い基礎体力


サンタマリア・クリニックのアコス・グリアス院長は、「アトピー性疾患の患者さんには、気が小さい、ストレスに弱い、自分に自信がない、体力が弱い、などの共通した特徴があります。アトピーの発症には、その性格や体力が大きく関わっています。そのため、何らかのストレスを受けると免疫が混乱して症状が出ます。そこで、アトピーの根本治療にはその弱点の克服が欠かせない」といいます。

◆アトピーの患者さんに共通する特徴
・気が小さい
・ストレスに弱い
・自分に自信がない
・体力が弱い
 
◆アトピーとストレスの関係
・気が小さいのでストレスを極端に強く受ける(ストレスに弱い)
         ↓
・そのストレスによって免疫が混乱し、免疫の過剰反応を起こす
          ↓
・アトピー性の症状が出る
       
アトピー性皮膚炎
      アトピー性喘息 

つまり、このクリニックでは、昼夜の気温の差が大きい、気圧が低い、日光の日差し(紫外線)が強い、といった高原特有の自然環境を利用して、ストレスに負けない「こころ」と、元気な「体」を作ろうというわけです。
ちょうどマラソン選手が高地トレーニングを行うようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
昼夜の寒暖の差はこころと体の抵抗力を強化してくれます。気圧の低い場所で行う運動は心肺機能を高めてくれます。強い日差しは免疫器官の一つである皮膚の機能を改善してくれます。
「高原の自然環境の中で、さまざまな運動をこなすことによって、基礎体力が強化され、自分に自信を持てるようになります。その結果、アトピーに負けないこころと体に生まれ変わることができます」とアコス院長はいいます。

子供に不安感を与えない
楽しい施設作り


海抜1000メートルを越す高原にあって、生活トレーニング施設と学校を併設するアトピー専門のクリニックは、ドイツではここにしかありません。
サンタマリア・クリニックは施設作りも、子供たちの生活ぶりも、日本にある病院とは全く異なっています。どこを見ても「病院への入院」というイメージではありません。
子供たちが厚紙で作った大きな牛のオブジェが、玄関で出迎えてくれます。各部屋のドアにも子供たちの作品がイッパイ貼り付けてあります。窓辺はクリスマスの飾りつけのようなカラフルなにぎやかさです。その中に子供たちの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。ここを訪れた子供(患者さん)が、第一印象で「なんて楽しそう…」とわくわくするような工夫で館内はイッパイです。

ここでの治療法は、クスリで皮膚炎や喘息の症状を抑えるものではありません。あくまで、アトピーの根本原因である「アトピー体質」と「精神面」の改善を目的にしています。また、帰宅後にアトピーを再発させないための生活トレーニングや、滞在中に学業を遅らせることのないように学校教育も行われています。
建物や施設はダニやカビ、ハウスダスト、化学物質などのアレルゲンを無くすために万全に管理されています。それらのアレルゲンから離れるだけでも、ぐっすりと眠れるようになり、アトピーの症状は軽くなるといいます。

こころと体を鍛えることが
治癒につながる


アトピー性疾患の要因の一つは「こころと体の弱さ」にあります。それを正すためには、日々の生活を通してこころと体を変えていくしか方法はありません。
そのためサンタマリア・クリニックでの生活は、日本人が想像する病院での入院生活というスタイルではありません。
集団生活を送ること、遊ぶこと、運動をすること、学ぶこと、皆で楽しんで食べる食事、アトピーに負けない体質をつくるための生活トレーニングなど、毎日の生活のさまざまな場面が全て治療法なのです。

生活の場面が治療法になっている…といっても、漠然としていてイメージしにくいかもしれません。少し例を挙げてみましょう。
くり返しになりますが、アトピー性疾患の患者さんには、気が小さい、ストレスに弱い、自分に自信がない、体力が劣る…などの共通した特徴があります。そこで、高原の自然環境の中で、体を動かして遊んだり、運動をしたりしながら、基礎体力を向上させていきます。体力が向上すると、意思も強くなり、自信も生まれてきます。

朝の決まった時間に起きて、決まった時間に眠ることも、アトピーの治療には重要な意味があります。アトピー体質の要因の一つに免疫の乱れや自律神経の乱れがあります。規則正しい生活をすることは、自律神経のリズムや免疫を正す効果をもたらします。また、昼間にしっかり体を動かし、夜はぐっすり眠るというメリハリのある生活を送ることも、同じような効果をもたらしてくれます。

自立心を育てるとともに
新たな親子関係を築く
 

アトピーの子供の多くは、甘えん坊で、自立心が低い傾向にあります。その性格も変えていかなくてはなりません。そこで、学習以外の時間には、できるだけ子供たちだけで行動させて、年上の子は年下の子を助ける、小さな子は親以外の人と触れ合う…などの生活を利用しながら、自立心を養っていきます。年長の子供たちは、少し離れた別棟の建物で集団生活を送りながら、社会性や自立心を身につけていきます。

とはいえ、小さな子供たちには、ここに滞在中に親と離れて暮らすこともまた、大きなストレスになります。そこで、親の付き添い滞在ができるようにと、200床の子供たちのベッドに加えて、付き添いの保護者用ベッドが130床も用意されています。

付き添いの親もまた、子供を甘やかしすぎたり、逆に、子供のストレス源になっていたりすることが多いものです。そこで親自身も、ここに滞在中にカウンセリングや生活トレーニングを受けて、新たな親子関係を築いていきます。

ストレスを感じさせない
学校教育


アトピー性疾患の根本的治療のためには数ヶ月という時間が必要です。しかしその間、学習がストップしてしまうと、「学校に戻った時に授業についていけるだろうか?」と思い悩むことになりかねません。それがストレスになり、治療を妨げる可能性もあります。そこで、それを防ぐために、サンタマリア・クリニックには幼稚園から大学入学資格試験が受けられるまでの、州から認可された学校(幼児から21歳までの教育が可能)が併設されています。

ここでは、授業方法にも特別な工夫があります。アトピーの子供は性格的にストレスを強く受けやすい傾向があるため、余計なプレッシャーを与えないような工夫です。例えば、学習の成果をテストの点数で競わせるようなことはしません。教え方も先生が上で生徒が下の立場という関係ではありません。先生が友達のように接してくれるマンツウマンの授業方法や、生徒同士がお互いに教えあったりもします。机の並べ方も小グループで学べるような配置です。こうした授業方法もまた、精神的な治療法の一つなのだそうです。

また、10代の生徒のカリキュラムには職業訓練の実習も組み込まれています。これには二つの意味合いがあります。一つは、自分の体質や性格に合わせた職業を見つけ出させること。もう一つは職業訓練を通じて「社会の一員」としての自覚を身に付けさせることです。アトピーの子供は社会集団から逃避する傾向にあるので、こうした教育も欠かせないといいます。

このように、サンタマリア・クリニックでは子どもたちが不要なストレスを感じることなく、のびのびと学業に取り組めるように、教室のインテリアから、机の並べ方に至るまで、全ての面に配慮が行き届いています。

アトピーは自分で治す病気
そのことを患者に教える


クリニックに到着し自分の居室が決まると、施設の案内や滞在生活の説明があります。広大な敷地にいくつかの建物があり、検査・治療施設、居住施設、学校施設、体育・レクレーション施設、生活トレーニング施設などが続いています。

では、サンタマリア・クリニックの実際の治療法はどのようなものなのでしょうか?

まずは、アトピーに関する問診と必要な検査を受けます。
検査室の壁には、子供が扮した医師と看護士さんの写真が掲げられています。これから滞在する子供に「あなたがお医者さんで、看護士さんなのだよ」というメッセージです。また、子供向けに描かれたアトピーの仕組みの説明図や人体の構造図が張ってあります。これらは、まず子供自身に自分の病気を理解させるためです。
アコス院長は「アトピーはクスリだけで治せる病気ではありません。生活の中で様々なことをしながら自分自身で治していく病気なのです。そのためには、自分の病気のことを良く理解し、なおかつ、自分自身がアトピーを治すお医者さんなのだ…という気持ちを持たせることから治療プログラムをスタートさせます」といいます。

検査は最先端の技術で、
治療は副作用のない自然療法で


最初に必要とされる検査には、症状の状態を調べるものや、アレルゲン検査、心肺機能(呼吸能力、心臓循環器能力)の測定、基礎体力、心理状態、これまでの生活習慣などのチェックがあります。
アレルゲン検査には、パッチテストとともに、ガラスで覆われたボックスに患者さんが入り、そこに想定される空気中のさまざまなアレルゲンが送風されて、その反応によってアレルゲンが特定される、というものもあります。
また、検査用のコンピュータの画面がアニメーションになっていて、海を挟んだ岸壁の片側に浮いている気球を、マウスピースを口に当てて息を強く吹き続けながら、向こうの岸壁に送り届ける…というゲームが肺活量の検査になっているなど、小さな子供でも遊びながら検査が受けられる工夫もあります。
治療は自然療法ですが、検査は最先端の装置(技術)で、さすが科学の国・ドイツです。

検査の結果を受けて診断が下されると、自然療法・生活療法を中心にした基本的な治療プログラムとともに、病状によって一人ひとりに個別の治療法も処方されます。
また、アトピー性疾患が慢性化している場合は、短期間では治らないので、自宅で自分でも続けられる治療法(セルフケア)が指導されます。

アトピー性皮膚炎の治療メニュー

アトピー性皮膚炎の治療には、皮膚炎そのものへの治療とともに、アトピー体質を改善する「食事療法」、基礎体力や精神力を強化する「運動療法」や「気候・環境療法」、ストレスケアのための「精神療法」、規則正しい生活を送る「規律療法」、それに加えて、免疫力を強化し、精神力を鍛える「クナイプ式水療法」などが組み合わせて処方されます。また、他人との協調性や社会性を養うために「グループ生活療法」も取り入れられます。
「…療法」というと、とても堅苦しく感じてしまいますが、サンタマリア・クリニックでの治療法には、堅苦しいさは一つもありません。全てが生活の中で、ゲームやレジャーを利用しながら、楽しみながら行えるものばかりです。

また、ここでは自分のアトピーを正しく理解するための人体生理学の教育や、アレルゲン除去食や体質改善を目的にした食事療法の調理実習、日常生活でのスキンケアの方法、ストレスのコントロール法など、アトピーケアのためのさまざまな教育も行われます。

◆こころと体を改善する基礎的な治療法
・食事療法
・運動療法
・気候・環境療法
・精神療法
・規律療法
・クナイプ式水療法

◆皮膚に対する治療法
・皮膚の保湿ケア
・光線療法
・トメサ療法(塩水入浴+光線照射)
・赤外線療法
・サウナ浴

◆社会性を育む治療法
・グループ生活療法

◆アトピーケアのための教育
・アトピーの仕組みと人体生理学の学習
・体質改善のための調理実習
・日常のスキンケアの方法
・ストレスのコントロール法

毎日の楽しい食事で
アトピー体質を改善


サンタマリア・クリニックの食事は、アトピー体質の改善や、肌質の改善、基礎体力の強化、そして成長期の子供の健康な体づくり…と、とても幅広い役目を担っています。
だからといって、その食事はいかにも「治療のための我慢の食事療法」といったものではありません。
患者さんは全て成長期の子供たちなのですから、食事は大きな楽しみの一つです。そこで、栄養面は専門の栄養士さんが考え、毎日、美味しく楽しく食べられるような彩りや工夫は、腕の良い調理師さんが受け持っています。美味しいデザートだって毎日あります。
子供たちは配膳カウンターで自分の食事を受け取ると、グループで楽しく会話しながら食事をします。食堂の外にはとても広いテラスが続いていて、温かい季節には青空の下で遠くの山並みを眺めながら、ランチを楽しむことができます。

食材は基本的に、野菜と全粒の穀類を中心にしていますが、成長期の子供ですから動物性タンパク質も必要です。その摂取には、肉類の代わりに魚を食べます。野菜や穀類は全て無農薬で有機栽培。できるだけ地元産のものを使用しています。
食物アレルギーのある子供には、最初はアレルギーの除去食が提供されます。ここでの生活で体質が変わり、アレルギー反応が出なくなるに従い、少しずつその食品を取り入れていきます。

また、施設内には調理実習室があります。症状や体質が改善して、ここから自宅に帰った後に、再びアトピーを発症させることのないようにと、子供たちにも付き添いの親にも、体質改善のための食事作りが指導されます。
 
◆食事療法の目的
・アトピー体質の改善
・乾燥肌の改善
・基礎体力の強化
・成長期の子供の健康な体づくり
・楽しい食事

運動や遊びを利用して
基礎体力と精神力を強化

 
サンタマリア・クリニックでは、運動にとても力を入れています。その理由は、アトピーの克服のためには、基礎体力と精神力の強化がとても重要だからです。
施設内には広い体育館があり、ここでは年齢に合わせた運動カリキュラムが行われます。また、患者さんの親子に養護師さんも加わり、トランポリンや鬼ごっこなどのゲームもします。天井からは太いロープがぶら下がっていて、ターザンごっこもできます。
アクアビクス(水中運動)や水泳のために、高学年用と幼児用の二つの屋内プールもあります。プールの水は日本のように塩素殺菌ではなく、無害なオゾン殺菌で衛生管理されています。
屋外には、陸上競技やサッカー用の整備されたグランドもあります。
さらに施設内には、高さ5メートルほどのロッククライミングの壁面があります。ザイルで安全を確保された子供たちが壁の突起を伝いながら、一生懸命、テッペンを目指して登っていきます。ロッククライミングは遊びを利用しながら精神力と体力が強化できる、とても有効な方法なのだそうです。
  
また、高原の自然環境を利用して、暖かい季節には山歩きのトレッキングやサイクリング、冬はスキーなどで基礎体力と精神力を養っていきます。養護師さんが引率しますが、大きな子は小さな子の世話をし、小さな子は大きな子を頼りにしながら、これもまた、子供の自立心を養うプログラムの一つなのです。
 
ただし、ここでの運動や遊びにはルールがあります。それは「強制しない」「お互いを競わせない」というものです。アトピーの子供は強いコンプレックスをもっているので、競争で負けたときにはコンプレックスがさらに強まることになります。また、性格的に引っ込み思案が多いので、強制的にやらせるのはストレスを増幅させます。
そのため、あくまで自主的にやれるようにと、それぞれの運動には遊びの要素を取り入れてあります。「楽しい…」という気持ちが生まれてくれば、早く健康になれるといいます。また、「自分にもできた…」という達成感を感じさせることが、自分に「自信」を持たせることになり、ストレスに弱い性格を変えることができます。

◆運動療法の目的
・基礎体力の強化
・免疫力の強化
・精神力の強化
・自立心の育成
・自信の確立(コンプレックスの除去)

◆環境・気候療法の目的と生理作用
・ストレスからの開放
・カラダの自己調整能力(ホメオスターシス)を高める
・刺激に対する抵抗力をつくることで、精神力を強化する
・ストレスに対する抵抗力を強める
・心身のバランスを安定させる

(サンタマリアクリニック-2に続く)
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-30 12:03 | サンタマリアクリニック-1

ドイツのアトピードクター 2

アトピー治療の先駆者
フリードリッヒ・シュレップル博士・教授



フリードリッヒ・シュレップル博士は、アトピー性皮膚炎の治療に、「紫外線による光線療法」と「ストレスコントロールのための心理カウンセリング」を応用した先駆的なアトピードクターです。大学の教授や皮膚科の医長を経て、現在はアトピークリニックが開設されるときの指導者の役目をしています。

シュレップル博士によるアトピー性皮膚炎の基本的な治療法は、ミュンヘン大学のリング教授と変わりません。そこで、シュレップル博士へのインタビューの内容は、ストレスとアトピーとの関係を中心にご紹介します。

家族間のストレスや生活スタイル、
突然の生活変化などが、アトピーを発症させる


シュレップル博士の治療で一番の特長は、患者さんはもちろんのこと、両親(あるいは家族全員)に対して、徹底した心理カウンセリングが行われることです。そこで、アトピーの発症原因の一つである家族間のストレスの関係や、発症する前の生活状況、生活習慣などが詳しくヒヤリングされ、発症原因が分析されます。

*以下、シュレップル博士・談。

ヨーロッパではおよそ20%の人がアトピーの遺伝子を持っていると考えられています。しかし、全員が発症するわけではありません。
アトピーの発症には家族間のストレスや生活スタイル、突然の生活変化などが大きく影響しています。そのため、治療と同時に、家族関係や生活スタイルを改善していくことが必用です。アレルゲンから逃げるだけではアトピーは治らないのです。

これまで数千人の患者さんの治療をしてきましたが、治療が適切なら、20歳までに88%の人が完治し、残りの12%もわずかに軽い症状が残るだけです。それも、年齢を重ねるうちに、やがて治っていきます。

家族にも必用な、ストレス解消の心理療法

治療プログラムをつくる前に、患者さんに生活環境や家族の絵を描かせて心理分析をします。例えば、家族を動物に例えて描かせます。お父さんはてんとう虫で、お母さんが虎というような絵を描いた場合は、その子にとってお母さんが虎のように怖い存在、つまりお母さんが与えるストレスが大きいことが分かります。
子供がアトピーになると、お母さんは子供に対して、あれをしてはダメ、これもダメとさまざまな制約を強制します。お母さん自身も子供がアトピーであることのストレスが高じてイライラします。そのイライラがますます子供のアトピーを深刻にしていきます。そして、家族間に笑顔が無くなり、全員がストレスを抱えてしまうことになります。そのため子供の治療とは別に、お母さんやその他の家族にもストレス解消の心理療法が必要になります。

アトピーの患者さんには性格の共通性がある

アトピーの患者さんには、次のような性格や体質の共通性があります。

◆アトピーになりやすい性格や体質
・感受性が強い
・気が小さい
・ストレスに弱い
・自分に自信がない
・甘えん坊
・柔軟性がない
・乾燥肌の体質
・やせ型(虚弱体質)が多い

つまり、ストレスを他人よりも強く感じるという、性格的な弱点を持っています。そこで、アトピーの根本治療には性格面の改善も必用なのです。
具体的な性格改善法については、この後の「サンタマリア・クリニック」の治療プログラムでご紹介します。
また、アトピー性皮膚炎の基本的な治療については、ミュンヘン大学のリング教授と変わりませんので、シュレップル教授については、ストレスと性格に焦点を当ててご紹介しました。
最後に、アトピーの子供を持つお母さんと、患者である子供自身に対して、アトピーケアに対する注意事項をまとめていただきました。

アトピーの子を持つお母さんへのアドバイス

●肌を乾燥させない。(保湿を忘れない)
●皮膚の状態の良いときにこそ、十分に保湿して良い肌を持続させる。
●毎日の肌の状態を記録する。悪くなったときの状態を記録する。悪くなる周期を知る。
●肌の良い状態の生活を継続させる。
●アトピーであることにストレスを感じすぎない。
●お母さん自身が神経質にならない。(イライラしない)
●本人の好きなことを止めない。
●食べ物は本人の好むものを食べさせる。
●のびのびと育てる。
●ポジテムな考え方をさせる。
●できるだけホメてあげる。
●劣等感を持たせない。
●自分は病気じゃない、と思わせる。
●入浴時に、熱いお湯に入れない。
●入浴時にゴシゴシとアカスリをさせない。
●洗浄力の強い石鹸やシャンプーを使用させない。→天然成分のものを選ぶ。
●湯上りに荒いバスタオルを使用させない。
●入浴後、3分以内に肌を保湿させる。
●アレルゲンの少ない寝具を使用する。
●化学繊維や毛羽立った衣類は避ける。
●新しい肌着は、洗濯してから着せる。
●室内の湿度を60~70%にして、乾燥させないようにする。
●大人になったら、アレルゲンのない職業を選ばせる。

患者さんへのアドバイス

●自分のアトピーは自分で治す、という気持ちを持つ。→ お医者さんは自分。
●保湿クリームは、自分の好きな香りのものを、自分で選ぶ。
●保湿クリームは、ステロイドの入っていない天然成分のものを選ぶ。
●もともと乾燥肌なのだから、乾燥させない(かゆみが出ない)ように、いつも保湿クリームを塗る。
●手の届くところは、自分で塗る。
●夜はたっぷりと塗る。
●肌をかいて傷つけない。
●そのため、かゆみを忘れる「オマジナイ」をつくる。
●かゆみの出たときの対処法を覚える。
     ・気持ちを落ち着かせる呼吸法を覚える。
     ・患部を濡らしたタオルなどで冷やす。
     ・ペパーミントやラベンターの香りで気持ちを鎮める。
     ・気持ちが落ち着く音楽を聴く。
●皮膚を清潔に保つ(細菌を繁殖させない)。
●汗や汚れは早めに洗い流す。
●その後、すぐに保湿する
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-29 17:48 | ドイツのアトピードクター 2

ドイツのアトピードクター

ドイツのアトピードクター  1

アトピー治療でドイツを代表する、ミュンヘン工科大学・医学部皮膚科・部長教授のフィル・リング博士。
アトピー治療に初めて本格的に精神カウンセリングと光線療法(ドイツではアトピー治療の多くに利用されている)を応用した、フリードリッヒ・シュレップル博士。
まず、このお二人の考え方と治療法をご紹介しましょう。


ミ ュンヘン工科大学・医学部・皮膚科
フィル・リング博士/部長教授



ミュンヘン工科大学のフィル・リング教授は、アトピー治療の世界的権威で、日本のNHK・TVも、十数年前に「アトピー治療最前線」という番組で紹介しています。また、教授のグループは英国のオックスフォード大学の専門家グループと、共同でアトピー治療プログラムを開発しています。

*以下、リング教授のお話です。

アトピー性皮膚炎の発症の原因

アトピー性皮膚炎は、「アトピー体質」「ストレスに弱い性格」「乾燥肌」「弱い基礎体力」などの複数の要因が重なって発症します。冬に皮膚炎が悪化するのは、肌が乾燥しやすいからです。肌の乾燥はかゆみを引き起こすので、そこをかきむしり、自分で皮膚炎を悪化させます。
ところで、乾燥肌は体質なので、乾燥肌そのものを根本的に改善するのは簡単ではありません。しかし、乾燥肌に対するスキンケアの方法を覚えておけば、アトピー性皮膚炎を発症させたり、悪化させずにすみます。

皮膚科、精神科、栄養指導科のチーム体制

アトピー性皮膚炎の治療には、皮膚科、精神科、栄養指導科の専門家がチームになってあたることが必用です。
アトピーの原因には、ストレスが大きく関わっています。そのため、精神科のカウンセラーの役目がとても重要になります。また、アトピーには体質的な問題もあるため、体質改善のための食事療法が必用になります。食物アレルギーがある場合にはその対策が必要です。そのため、個別の栄養プログラムをつくりながら、食習慣の改善を指導する専門の栄養管理士の参加が不可欠なのです。
もちろん、皮膚炎の治療や、日常のスキンケアなどを含めて、全体の治療プログラムは皮膚科の医師がコントロールしていきます。

お医者さんは患者自身

私たちは患者さんに、「あなたの病気のお医者さんは、あなた自身なのです」と、考えてもらうようにしています。また、家族にも治療に参加してもらいます。われわれ医療スタッフはそれを手伝う役目なのです。
その理由は、アトピーの改善治療には生活全般が関わってきます。また長期間にわたり、日常生活の中で「セルフケア」をしていかなければなりません。本人がお医者さんのつもりにならなければ、治療が継続できないのです。家族もまた、色々な形で協力する必要があります。その間に不適切なケアをしてしまうと、さらに症状を悪化させます。
そのため、本人も家族も、アトピーの仕組みやケアの方法をよく理解することからスタートする必要があるのです。

家族も参加する治療プログラム

私たちの治療法の大きな特長に、患者さんとその家族が受けるアトピーの教育プログラムがあります。
子供のアトピーには精神的な影響が大きいのですが、子供がアトピーを抱えていると、それがお母さん自身のストレスになり、またお母さんのイライラが患者さんに跳ね返って二重のストレスになることがよくあります。
一方、お父さんは無関心で、そのこともお母さんのストレスを増幅させます。
そこで私たちのクリニックでは、家族も含めたアトピー治療の教育(トレーニング)プログラムを用意しています。そのプログラムは、英国のオックスフォード大学の専門家と共同でつくったものです。
講座はお母さんや家族のためのものと、患者さんのためのものがあり、それぞれに分かれて、週に1回、8週間連続して受けてもらいます。教育には、精神科、皮膚科、栄養指導科が連携してあたります。本人と家族の両方に理解を深めてもらうために、アトピーケアの本も発行しています。

あわてずに、迷わずに、プログラムにしたがって治療を進めていけば、必ず治ると確信してもらうことから、スタートします。

まずは、皮膚をかかない

皮膚炎を悪化させないためには、皮膚をかかないことです。
かいて皮膚を傷つけると、そこに細菌が繁殖してますます炎症は悪化していきます。その雑菌に免疫細胞が過剰に反応して、さらにかゆみがひどくなります。それをさらにかき続けると、炎症は傷でジュクジュクになり、傷が治まっても皮膚は厚く盛り上がり、ケロイド状になっていきます。そうなってしまうと、簡単には正常な皮膚にもどれなくなります。

かゆみを抑える簡単な方法

アトピー性皮膚炎の一番の問題は「かゆみ」です。
かゆみが出たら、ハンカチやタオルを濡らして患部を冷やすと、少しの間はかゆみが治まります。ペパーミントエッセンスのスプレーを持ち歩き、それを濡れタオルにスプレーして肌に当てると、より効果的です。
かゆみの部分を指で軽く押さえるのも、かゆみ止めの効果があります。ミントを配合した保湿クリームを塗ると、かゆみ止めになります。
かゆみが止まったら、かならず保湿クリームを塗り、患部を乾燥させないようにしてください。

ウェットラップ・ドレッシング法

かゆみを止めながら皮膚炎を抑える方法として、ウェットラップ・ドレッシングという方法があります。患部に保湿クリームを塗り、濡らしたバンテージ(筒状の厚手の包帯)で包んでおく方法です。
われわれのクリニックでは、保湿クリームはピーナッツのオイルとグリセリンを水分で混合したもの、さらにハーブ液を入れたものなど、患者の症状や好みに合わせて選べるようにしてあります。

その手順は、
①筒状のバンテージを患部の長さに2枚切っておきます。
②患部に保湿クリームをたっぷりと塗ります。
③ぬるま湯で濡らしてかるく絞ったバンテージで患部を包みます。
④さらにその上に、乾いたバンテージを重ねて、内側のバンテージを乾燥させないようにします。

これでかゆみが抑えられて、なおかつ保湿することができます。また、患部がカバーされているので、直接皮膚をかきむしることがなくなります。
顔の場合は、フェイスマスクを利用して、睡眠中に同じ手順で行います。体の大きな部分は、入浴後にすばやく保湿クリームを塗り、その上に肌着を着ます。
このウェットラップ・ドレッシングを睡眠中に行うだけでも、ずいぶんと効果があります。
 
睡眠中に、体の部分をウェット・ラップする場合は、シーツの下に防水マットを使用すると寝
具を濡らさずにすみます。

アトピー性皮膚炎の原因の一つが「乾燥肌」

アトピー性皮膚炎の患者さんは、一般的に乾燥肌です。したがって、日頃、肌を乾燥させないようにしっかりと保湿クリームで保湿することが必要です。
特に、入浴後は肌の皮脂が無くなっているので早く乾燥します。お風呂からあがったら三分以内に必ず保湿クリームを塗ってください。

保湿クリームは油分の多いものと
少ないものの2種類を用意


日中は、ベタツキによる不快感を感じないように、油分の少ないものを使用します。また、皮膚炎のストレスを忘れていられるように、鎮静作用のあるミントの入ったものをおすすめします。
夜は外出もなく、寝ている間はベタツキが気にならないので、十分に保湿できるように油分の多いものを使用し、患部にたっぷりと塗ります。また夜は、香りは必要ないのでミントは不要です。

症状の軽いときこそスキンケアが大切

患者さんは普通、皮膚が良くなるとスキンケアをしなくなります。しかし、それは間違っています。悪くなってからスキンケアをして、良くなると忘れるから、悪循環をくり返すのです。
症状の軽いうちに、皮膚をしっかりと保湿して、乾燥させないようにしましょう。スキンケアを休まずに、良い肌の状態を続けていけば、アトピー性皮膚炎のない正常な皮膚に戻っていきます。

冬のスキンケア

冬は、アトピー性皮膚炎が悪化しがちです。それは湿度が低く、また気温も低いので発汗が減り、肌の乾燥が激しくなるからです。そこで、冬の間は絶対に保湿を忘れないようにしましょう。
冬の間の保湿クリームは、油分の多いものがおすすめです。肌細胞が生まれ変わる夜の睡眠中は、たっぷりと保湿しましょう。

夏のスキンケア

暑い季節に、汗のかきっぱなしはよくありません。皮膚炎に寄生する細菌が繁殖してしまうからです。その細菌に皮膚の免疫細胞が過剰に反応して、かゆみが起きます。汗をかいたらぬるめのシャワーを浴びるようにしましょう。そのとき、シャワーの勢いを強くしないように注意すること。強いシャワーは後でかゆみを引き起こす可能性があるからです。そして、シャワーの後の保湿クリームを忘れないようにしましょう。

紫外線で皮膚の機能改善-光線療法

アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は、皮膚の免疫システムの異常や血行不良、かゆみの神経が過敏になるなどの異状状態にあります。そのため、皮膚の機能の改善や強化が必要です。
皮膚の機能を改善する方法のひとつに、紫外線を含んだ人工光線を照射する「光線療法」があります。患部が大きい場合は全身に照射し、患部が小さい場合は、小型の照射ランプで、患部に光線を当てます。

*ただし、紫外線過敏症の患者さんや、小さな子供には使用しません。

塩水と紫外線によるトメサ療法

トメサ(TOMESA)療法は、濃度の高い塩水のお風呂に入りながら、紫外線を含んだ人工光線を浴びる治療法です。
治療装置は浴槽と人工光線(紫外線を含む)の照射器を組み合わせたものです。患者さんは塩水のお風呂に入りながら、コンピュータの音声に従って体を動かし、患部に光線を浴びます。紫外線の照射量と時間は、患者さんの症状によってセットされます。浴槽の塩水は死海と同じ塩分濃度に設定されています。
夏に海水浴を続けていると、アトピー性皮膚炎の症状が軽減しますが、トメサ療法はその原理を応用したものです。

紫外線には、皮膚炎に繁殖した細菌を殺菌して炎症の進行を抑える作用があります。また、アレルギー反応を起こしている皮膚の細胞を刺激して、皮膚の機能を改善する作用もあると考えられています。
塩水には皮膚の角質を柔らかくして、水分の吸収を高める作用や、皮膚への紫外線の吸収を高める作用をします。

しかし、紫外線にはリスクもあるので、その照射は専門家が慎重に行います。また、皮膚が柔らかい子供には紫外線の照射はしません。

*炎症のひどい患者さんには、傷口に塩水がしみるので、塩水風呂は使用しません。その場合は、皮膚の感受性を高める薬品を患部に塗ったり、あるいはその薬品を入れたお風呂に入浴させてから、患部に紫外線を照射します。(ミュンヘン・皮膚科専門クリニック/ライナー・シェラー博士・談)

毎日の症状の変化を記録する

体調や心理状態が悪いときに、食べ物によってアレルギー症状が起きたり、またストレスによって症状が悪化する場合があります。しかし、そうした原因を知っておけば、それを事前に避けることができます。
特に、かゆみがひどくなったり、症状が悪化したときには、その前に何があったか、何を食べたか…などを記録して、アレルゲンを知っておくことが大切です。
また、症状が軽い、あるいはかゆみが出ないときの生活方法をできるだけ続けるようにしましょう。

ぜんそくがある場合は

日常的にはハウスダストに注意して、寝具はノン・アレルゲンのものを使用しましょう。シーツや枕カバーは毎週、布団カバーは毎月洗濯すること。
ぜんそくの重い方は、睡眠前に「ジルテック」という錠剤を飲んでおくと、睡眠中に発作がおきません。ジルテックはぜんそくとアトピー性皮膚炎の両方に効果があります。しかし、ジルテックの使用は根本治療ではありません。また、患者さんによっては副作用があるので、専門医の管理が必要です。

インターバル療法という、ステロイド剤の使い方

リング教授のチームでは、皮膚炎の症状に合わせて幾つかの薬品を使用しています。
しかし、ステロイド剤は原則的には使用しません。それは、初期段階での即効性はあるのですが、副作用があり、とても難しい薬だからです。
例外的に、外用薬として使用することがありますが、その場合は、インターバル療法という方法をとります。

◆インターバル療法
最初は、1日1回の使用を4日間続け、5日目は使用を止めます。次は、6日目、 8日目、10日目と、間隔を1日づつ空けて使用し、11日目、12日目は止め、13日目に使用、14日目、15日目は止め、16日目は使用、17日目、18日目、19日目は止め、20日目に使用というように、使わない日を徐々に多くしていき、ステロイドの依存から自然に抜け出せるような使い方をします。
また、ステロイド剤を使わない日は、必ず通常の保湿クリームで乾燥を防ぎます。

ステロイド剤を不用意に使い続けると、その依存症になるとともに、アトピー性皮膚炎そのものが治りにくくなっていきます。
そこで、徐々にステロイド剤への依存を減らしていき、保湿クリームとウェット・ラップを利用したスキンケアに切り替えていきます。

基礎体力を強化する、高地・環境療法

長期の入院治療が必要な患者さんには、スイスの山の上にある「ダボス・クリニック」に入院してもらう場合があります。「ダボス・クリニック」は海抜2000メートルの高原にあり、クリマテラピー(環境・気候療法)を織り込んだ治療プログラムが行われています。
高原の環境は、空気がきれいでアレルゲンがないため、正確なアトピーテストが可能です。また、平地に比べて皮膚の強化に役立つ紫外線の量も多くあります。適度な寒さや、酸素の量の少なさなどが、体の基礎体力をつくり直すのに役立ちます。
こうした環境のクリニックで、ストレスを消すための精神カウンセリング、植物成分の入浴剤や保湿剤・内服剤を利用した皮膚治療、それに、体質改善のための食事療法や、基礎体力を強化する運動療法などを組み合わせながら、「アトピー体質の改善」を行っていきます。

・精神カウンセリング
・植物性入浴剤
・植物性保湿クリーム
・植物性内服剤
・食事療法
・運動療法
・環境・気候療法

また、長期の入院に備えて「ダボス・クリニック」には、子供の学習のために、幼稚園や学校が併設されています。

●ドイツには、1200メートルの高原に、学校施設、さまざまな生活トレーニング施設を備えた、理想的なアトピークリニックがあります。
このサイトでご紹介している「サンタマリアクリニック」です。ぜひ、お読みください。

アトピーは必ず治る

アトピー性皮膚炎は、あわてずに、迷わずに、プログラムにしたがって治療を進めていけば、必ず治る病気です。
ストレスに負けないように、自信を持って毎日を過ごしてください。
そして、乾燥肌を守るための毎日のスキンケアを欠かさないでください。
そうすれば必ず、かゆみと、皮膚炎は次第に消えていきます
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-29 17:37 | ドイツのアトピードクター 1

なぜ日本では治らないの?

アトピーは治るの?治らないの?

増え続けるアトピー性疾患

私はこれまで、アトピー性皮膚炎の方々をたくさん目にしてきました。カユミが我慢できずにひたすら掻き続ける人。ひどいケロイド状の皮膚の人。治らずに何十年も悩み続けている人。その姿を見るにつけ、日本のアトピー治療の現実に、愕然とした思いを抱いています。愕然の理由は、その人たちの殆どは、複数の病院で何らかの治療を受けてきたはずなのに、それでも治らずに苦しみ続けているからです。

日本では現在、青少年のおよそ3人に1人がアトピー性の疾患を持っているといわれています。アトピー性疾患とはアトピー性皮膚炎やアトピー性の喘息、花粉症などのことで、現在もその数は増え続けています。
特に、アトピー性皮膚炎に関しては、日本では根本的な治療法は未だ確立されておらず、患者さんや家族は「あれがいい」「これが効いた」などの、さまざまな情報に振り回されているのが現状です。また、こうした状況がストレスになり、さらに症状が悪化するという悪循環に陥っているケースも少なくありません。

なぜ、日本では治らないの?

日本では、厚生労働省のアトピー治療ガイドラインでも「アトピー性皮膚炎は慢性の病気なので根治は困難。しかしコントロールは比較的容易なので、薬で症状を抑えながら、うまく病気と共存していけば、日常生活は困難ではない」としています。つまり、アトピーは治らない病気で、薬を使い続けるしか方法はない、と規定しているのです。
しかし、国の治療ガイドラインが勧める「薬物療法」に頼ったばかりに、悪化をくり返して、日常生活に支障をきたしている人が何と多いことか?
アトピー性皮膚炎は本当に治らないものなのでしょうか? アトピー体質は一生変えられないものなのでしょうか?

一方、ドイツでは治る病気

一方、ドイツではアトピーの専門医の多くは、アトピー性皮膚炎は治る病気と考えています。
そして、日本とは異なる治療法が整備されています。実際、アトピーの患者さんのほとんどが完治しています。
ドイツ民族は乾燥肌の体質で、なおかつ几帳面な性格(ストレスに過敏な性格)なので、アトピー性皮膚炎の発症率はとても高いといえます。しかしドイツでは、人前で皮膚を掻き続ける人や、皮膚がケロイド状になった人、治らずに5年も10年も苦しみ続ける人を見かけることはほとんどありません。

では、なぜドイツでは治るの?

日本では治らなくて、ドイツでは治るアトピー。その違いはどこにあるのでしょうか?

ドイツでは、アトピーの発症の根底にある「要因」の捉え方が、日本とは大きく異なっています。ドイツのアトピードクターたちは、アトピー性皮膚炎は、「アトピー体質」「ストレスに弱い性格」「乾燥肌」「弱い基礎体力」などの複数の要因が根底にあり、それにストレスが加わって発症すると考えています。
そして、アトピー性皮膚炎の改善には、それらの要因を総合的に解決していかなければならないといいます。つまり、「皮膚科」だけの病気ではなく、むしろ、その他の要因の方が大きい…というのです。
そのため、診察は皮膚科の医師だけではなく、精神科の医師、食事療法師などがチームになって行います。あるいはまた、アトピーの専門医はこの三つの領域の知識を持っています。
治療もまた、皮膚科の治療だけではなく、体質や心理面の改善に重点が置かれます。

日本のアトピー治療は間違っている

日本ではアトピー性皮膚炎が発症すると、「皮膚科」で診察を受けます。皮膚科では、それが最良の治療法である…として「皮膚薬」が処方されます。最初のうちは、症状は軽減します。しかし、また症状が出ます。するとまた薬が処方されます。一時的には軽減しますが、また症状が出て、その範囲が広がり、慢性化していきます。そして、病院を転々とし、その都度治療を受けたにも関わらず、治らずに、症状が複雑化して10年も20年も苦しみ続けている人がたくさんいます。

私は、長年にわたるドイツのアトピー治療の取材で、日本のアトピー治療は根本的に間違っていることに気付きました。
アトピー性皮膚炎は「皮膚科だけの病気」ではなかったのです。

アトピーを治すのは自分自身
 
ドイツのアトピー治療の多くは、日本のようにステロイド剤などの薬を安易に使用する対症療法ではありません。その治療法は自分自身が行う「セルフケア」によるもので、決して難しいものではありません。また、必要に応じてさまざまな自然療法が応用されます。

ドイツでは自然療法、生活療法を応用したアトピーの治療プログラムが整備されています。各地に自然療法と生活療法によるアトピークリニックがあり、セルフケアの方法を指導してくれます。その結果、殆どの方が完治し、また完治しないにしても、セルフケアの方法を教わっているので、再発しても症状が悪化することはありません。
その上、アトピー体質や弱い精神力を根本から改善する方法が指導されるので、治療前よりも元気な体質と精神力に生まれ変わることができるといいます。

アトピーは、薬に頼るだけではなく、毎日の生活の中で、自分自身で治していかなければならない病気なのです。
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-26 23:39 | なぜ日本では治らないの?

ドイツ・アトピー治療との出会い

ドイツ・アトピー治療との出会い

私は十数年間に渡り、ドイツを中心にヨーロッパの医療の調査を続けています。
その過程で、ベルリン自由大学医学部・自然療法科・部長教授(当時)のマールテ・ビューリング先生との出会いは、医療に対する私の常識を根本からくつがえすものでした。

それまで私は、「病気は医師や薬が治してくれるもの」と信じ込んでいました。ところが先生は、「病気を治すのは自分自身なのです」といいます。また、『多くの病気の原因は自分の「体と心」にあります。だから、薬で症状を消すだけではだめで、体と心を根本から改善することが必用です。そのためには、生活習慣を改めるとともに、自然療法や生活療法を利用しながら、病気に負けない体と心をつくることが大切なのです』といいます。

体には治す力がある

自然療法・生活療法とは、薬を使わずに、自然環境や自然の素材、日常の生活行為などを利用して体の不調や病気を治す治療法のことです。現代医療の先進国のドイツで、自然療法、生活療法という治療法が行われていることが信じられませんでした。さらに先生は、『ドイツには自然療法、生活療法を集中して行う「療養のための保養地」が全国にあるので、興味があるなら、その実際を見てみなさい』といいます。
それ以来、私はドイツ国内のさまざまな保養地(療養のための)や大学を訪れ、たくさんの医師や関係者に自然療法についてインタビューし、その治療法や医療(療養)施設を視察してきました。
そして、現在の日本の医療に欠けている、体の自己治癒力を利用した「薬に頼らない医療」に出会いました。また、私たちの体には「治す力」があることを学びました。

自然療法とセルフケアで
アトピーを治す


また、保養地医療の調査の過程で、自然療法とセルフケアを基本にしたアトピー治療を行っている多くの専門家に出会いました。

・ミュンヘン工科大学・医学部のリング教授(皮膚科部長)。
・アトピー治療にストレスケアと光線療法を最初に応用したシュレップル博士。
・長期療養のために学校まで併設したサンタマリア・クリニックと、アコス院長、など等。

そして、ステロイド薬などの薬物療法に頼らずに、自然療法とセルフケアを中心にした治療法で大きな成果を挙げていることを知りました。

ミュンヘン工科大学のリング先生は、アトピー性皮膚炎の発症要因と、その治療には皮膚科の医師、精神科の医師、食事療法士によるチーム医療の必要性を語ってくれます。
シュレップル博士は、アトピー性皮膚炎の発症にはストレスが大きく関わっていて、さらに発症後のストレスや家族関係が症状を悪化させるといいます。
そして、サンタマリア・クリニックでは、アトピーに負けないこころと体をつくる、まさに理想の治療法が行われています。
 
それではこれから、ドイツのアトピードクターたちの考え方と、その治療法についてご紹介していきます。
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-26 11:43 | ドイツ・アトピー治療との出会い

アトピーと食事療法

アトピー体質を改善する食事

アトピー体質の原因の一つは悪い食生活にあります。アトピーの患者さんのいる家庭では、家族も含めて悪い食生活をしているケースが多いと言います。
極端な偏食や、緑黄色野菜の不足、カルシウムの不足。それに加えて、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水の摂り過ぎなどが肌質を悪くし、また農薬や加工食品に使用されて化学物質が免疫を混乱させる原因になっています。
アトピーの改善にはこうした悪い食生活を改める必要があります。

また、妊娠中のお母さんの悪い食生活や、生活環境の中の化学物質などが胎児の体質形成に悪影響を与え、子供がアトピー体質で生まれてくる可能性があります。したがって、妊娠中はスナック菓子や清涼飲料水、インスタント食品などをできるだけ避ける必要があります。

食事療法には、二つの目的があります。

一つは、食物アレルギーがある場合には、それを避けた食事の工夫が必要なこと。もう一つは、体質を根本から改善するために、バランスのとれた食習慣を作ることです。

①アレルギーを起こす食品を避ける

個人の体質、食生活によって異なりますが、日本人の場合、比較的高い確率でアレルギーを起こすのは、牛乳、卵、魚介類(さばなどの青魚、エビ、カニなど)、牛肉、豚肉、羊肉、チョコレート、ナッツなどです。そのほかに、豆類、野菜類、蕎麦、穀類の一部、イチゴ、バナナ、オレンジなどにアレルギー反応を起こす人もいます。
自分にとってアレルゲンになる食べ物が分かったら、しばらくの間、その食品を避ける必用があります。アレルゲンの除去療法によって、その食べ物に対するアレルギーが消えてしまうことが多く、それに合わせて根本的な体質改善を図れば、同じ食品を食べても何の症状も起こさなくなる場合がたくさんあります。

②無農薬(低農薬)の食品を選び、インスタント食品などを避ける

農薬や、人工的な食品添加物、品質保持剤などの化学製品は、アトピー体質の改善を妨げます。ジャンクフード(スナック菓子)、インスタント食品、インスタント調味料などには、人工的な添加物や品質保持剤、着色料などが使用されています。こうした食品を食べ続けていると、体質も肌質も悪化していきます。できるだけ食べないようにしましょう。

昭和30年代までは、日本にはほとんどアトピー性皮膚炎の患者さんはいなかったといいます。しかし、食生活や住環境の変化と共にアトピーの患者さんが増え続け、現在も減る様子はありません。つまり、アトピー発症の要因は、食品や身の回りに化学物質
が増えたことも大きな要因の一つです。

③ビタミン・ミネラルを十分に摂る

季節のもので新鮮な野菜を多く食べるようにしてください。
各種ビタミン・ミネラルは皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。特に現代の日本人は、皮膚の健康に重要な役割を果たしているビタミンB2が不足しているといわれます。その原因は、精白米を食べるようになったからです。
玄米や雑穀などの未精白の穀類を主食にして、緑黄色野菜(人参や小松菜など)や海草を豊富に摂れば、ビタミン・ミネラルの不足がなくなり、肌質の改善に役立ちます。
エキストラバージンのオリーブオイルは、良質の油分に各種のビタミンなどを豊富に含んでいるので、肌質の改善に役立ちます。サラダドレッシングや焼き野菜にふりかけるなどして、加熱しないで食べてください。煎りゴマを良くすりおろしてペーストをつくり、お料理に使うのもおすすめです。

◆おすすめの食品
 玄米、雑穀、ニンジン、小松菜、キャベツ、ピーマン、みつば、かぼちゃ、さやえんどう、玉ねぎ、大根、ごぼう、かぶ、れんこん、すりごま、小魚、わかめ、ひじき、昆布、エキストラバージン・オリーブオイル

④基礎体力を強める栄養成分を摂る
 
アトピー性皮膚炎の患者さんは、消化器官が弱い、血圧が低い、代謝能力が低い、免疫力が低いなどの特長があるといいます。タンパク質、鉄分、亜鉛、銅、葉酸、ナイアシン、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)などを積極的に摂るようにしましょう。

◆おすすめの食品
 まぐろの赤身、いわし、さば、鶏のもも肉、豚肉、レバー(鶏、豚、牛)、カキ、ひじき、わかめ、ほうれん草、ブロッコリー、干ししいたけ、きな粉

⑤食物繊維を多く摂って便通を良くする

便秘が長く続くと、有害物が体内に吸収され、皮膚に悪影響を与えます。玄米や緑黄色野菜、海草などの食物繊維の多い食品は便通を良くしてくれます。また、植物油は腸管のすべりを良くして排便を促してくれます。

⑥白砂糖を摂りすぎない

白砂糖を使用したお菓子や、清涼飲料水の摂りすぎは、皮膚の健康を維持するビタミンB1を不足させます。糖質がエネルギーに変わるためには、ビタミンB1が必要だからです。
また、白米や白砂糖の摂り過ぎは、血糖の上昇によって皮膚を過敏にするため、かゆみが生じやすくなり、皮膚炎をさらに悪化させます。

⑦香辛料やお酒は避ける

唐辛子、こしょう、からし、わさびなどの香辛料や、お酒、コーヒー、お茶などは、皮膚の血管を拡張させて血流を増やします。そのため、かゆみが激しくなったり、炎症が進行したりします。

⑧塩分の強い食べ物は避ける

食塩を多量に摂取する人には皮膚疾患が多くみられといいます。こうした患者さんの場合、抵食塩の食事にすると症状が軽減し、高食塩にすると悪化するといいます。そこで、塩分の強い食品は少量に制限するか、避けるようにしましょう。料理の味付けもまた薄味にしましょう。

⑨冷え性を改善する

アトピー体質の方は体質が冷え性で、特に消化器官が弱い場合が多いといいます。冷たいものを摂取すると消化器官が萎縮して血液が流れて行かなくなり、益々消化器官が弱くなります。体を温める食べ物を摂り、冷やす食べ物の摂取を減らすように心がけてください。また食事は、できるだけ良く噛んで食べるようにしてください。

◆体を温める食べ物
しょうが、生ネギ、ごぼう、れんこん、紅茶など。

◆体を冷やす食べ物
氷、アイスクリーム、清涼飲料水、ビール、唐辛子、生野菜、南国の果物、白砂糖など。

⑩アトピー性皮膚炎と絶食療法

アトピー性皮膚炎に対する絶食療法には、症状を軽減するために行うものと、体質改善のために行う場合の、二つの目的があります。
一般的には、絶食すると症状は軽くなります。しかし、皮膚は乾燥化します。そのため、皮膚の乾燥を防ぐ保湿ケアが必要になります。
絶食療法は、体の大掃除です。体質の改善には有効ですが、絶食後の食事に注意しない
と、体に害になります。絶食療法が終わった後は、体に悪い食べ物は避けましょう。また、食べ過ぎをしないようにしましょう。
絶食は体質改善のための準備期間であり、新たな体質をつくるのは、絶食が終わった後の「食習慣」なのです。

絶食の期間は、その人の体力、気力、症状の程度、その目的によって異なります。いずれにしろ、絶食療法に明るい専門医の指示の基で行ってください。
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-25 13:23 | アトピーと食事療法

アトピーとストレス

アトピーとストレス

アトピーを発症させるストレス
悪化させるストレス


「ドイツのアトピードクターを訪ねる」でご紹介したリング教授やシュレップル博士は、アトピーの発症にはストレスが大きく関わっているといいます。また発症してからの「ひどいかゆみ」や「外見上のコンプレックス」によるストレスがより大きな問題で、そのストレスを解消しないとアトピー性疾患は治りにくい、と指摘しています。

なぜストレスが原因になるの

嫌な思い、不安、恐怖感などの精神的なストレスを受けると、体内でカテコ-ルアミンなどのストレス性ホルモンが分泌されます。このストレス性ホルモンが分泌されると、体内で異常な防御反応(免疫の誤作動)が起きます。こうしたストレスが長く続くと、免疫の狂いが体質化していきます。
 こうしたときに食べた物や吸い込んだハウスダストの一部に体が過敏に反応してしまうと、その人にとってそれがアレルゲンになってしまいます。また、ストレス性ホルモンによって皮膚の免疫システムが異常になり、かゆみや湿疹を引き起こすのがアトピー性皮膚炎です。

問題は発症後のストレス

ストレスを与えるもの(ストレッサー)が同じでも、受けるストレスの大きさには個人差があります。一般的に次のような人はストレスの感受性が強い傾向にあります。
・気が小さい
・内向的
・凝り性
・完璧主義
・頑固
・自尊心が強い
・自己中心的
 ・被害者意識が強い  
ドイツのアトピー専門医・シュレップル博士はストレスの感受性の強い人がアトピー体質になりやすいといいます。またアトピー性皮膚炎になってしまうと、本人のかゆみやコンプレックスの他に、周りの家族があれもダメこれもダメと神経質になったり、夫婦間で責任を押し付けあったりと、益々ストレスを増幅させてしまいがちです。
そこでドイツのアトピークリニックでは、患者はもちろんのこと、家族も含めてストレスを解消するためのカウンセリングに大きな力を入れています。あいにく日本では、ドイツのようにストレスのカウンセリングに力を入れているアトピークリニックはなく、アトピーカウンセリングの専門家もいません。だとすれば、ストレスコントロール法は自分で覚えるしかありません。

アトピーストレスの簡単解消法

かゆみは大変なストレスです。とくに人前でかゆみが出ると、気持ちの中でどんどんストレスが増し、パニックになりかねません。そんなときのために、心を鎮める方法を覚えておくと助けになります。気持ちが落ち着くと、かゆみの神経の興奮も沈静化し、かゆみが消えていきます。
 まずは、簡単な方法をご紹介しましょう。

・ペパーミントオイルを含ませた濡れタオルを鼻に当てて、ペパーミントの香りを吸い込みながら、ゆっくりと呼吸を続けていると気持ちが落ち着いていきます。

・楽な姿勢で椅子に座り、首の力を抜いて前倒しにし、手の平を上向きにしてひざの上に置き、目をつむり、静かにらくな呼吸を続けます。次第にこころが落ち着いてきます。

・影絵の狐を作るのと同じように、左手の親指と人差し指、中指の指先を合わせ、そこに意識を集中させます。あるいは、左右のどれかの指を、間がわずかに空く位まで近づけ、その指先に意識を集中させて、静かに呼吸を続けます。このように他の何かに意識を移動させることで、心理的興奮を鎮めることができます。

 ただし、こうしたかゆみを抑える方法は、かゆみを忘れるための応急処置であって、アトピー性皮膚炎の根本治療法ではありません。

さまざまなリラクセーション法

ストレス性の病気の治療に使われている、代表的なリラクセーション法をご紹介します。

◆ストレスを消す呼吸法(ベンソン博士のリラクセーション法)

 1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士によって考案されたもので、リラクセーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすいものです。
静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。

 日本人の場合は数字の1(イチ)を唱えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し唱えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」でできるだけ深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を唱え続けるのがポイントです。また、呼吸も力まずに静かに行ってください。

◆ジェイコブソン法(漸進的リラクセーション法)
 
1930年代にシカゴ大学のエドマンド・ジェイコブソンによって考案され、ストレス性疾患や不眠症の患者さんや、さまざまなストレスケアに応用されています。

・静かな場所に腰掛けます。
・右のこぶし、左のこぶしから始め、しだいに身体の特定の筋肉群を緊張させ、次にそれを弛緩(ゆるめ)させます。
・続いて、両前腕から上腕、前額、両目、鼻、両ホホと口、首、胸、背中、腹部、大腿、ふくらはぎ、足首というように、緊張と弛緩を繰り返していきます。
・それぞれの緊張は10秒間ぐらい。ポイントは、筋肉がゆるむことに意識を集中し、そこに広がるリラックスの感覚を実感します。
 ・この方法はからだ自身の感覚を使ってリラックスを誘導するので、反応がはっきりした形で表れます。
・また、どこでもできて、特別な装置も必要としません。

◆自律訓練法

 20世紀の初めに、ドイツの心理療法家・ヨハネス・シュルツによって考案された、自己催眠法の一つです。一定の言葉を繰り返すことによって起こるからだの変化を感じとります。それによって心身にやすらぎと平穏が得られます。
 
静かな場所で、椅子に深く腰掛けて頭を前に下げ、リラックスして行います。あるいは、床に大の字に寝て行います。
唱える言葉と感覚は六段階からなります。

◆第一段階は、「右手が(とても)重たい」と心の中で唱えることから始めて、左手、右足、左足へと唱えながらその部位に感じるようにします。
 
◆第二段階は、「右手が(とても)温かい」から始めて、同様に進めます。

◆第三段階は、心臓の鼓動に気持ちを集中して、「心臓がゆったりと規則正しくうっている」と唱えます。

◆第四段階は、呼吸に意識を集中して、「らくに呼吸している」と唱えます。

◆第五段階は、額に意識を集中して「額が涼しい」と唱えます。

それぞれの段階で唱える言葉を実際に感覚できるようになるまでには、回数を重ねる必用
があります。そのため、十分な効果を得るまでは数ヶ月間の訓練が必要です。 詳しくは専門書をお読みください。

<イラスト入る>

リラクセーションを行う際の注意

・静かな場所で行う。(涼しく薄暗い部屋や、寺院や教会の礼拝堂など)
・意識を集中する対象がある。(単調な言葉や音など)
・らくな姿勢で行う。
・受動的な思考状態にして、特定の考えや思いにとらわれることなく、思いが浮かぶままにまかせる。うまくいっているかどうかも気にしないこと。(このことはとても重要)

生き方や考え方を変えてみよう

自然の大きさにひたる
大自然にひたるなど、生活環境をガラッと変える気分転換もストレス解消に有効です。
晴れた日の海の色には、こころを鎮める作用があります。野山の緑色はこころを安心させます。黄色やオレンジ色の花は気持ちを明るく陽気にしてくれます。谷川や滝の空気はマイナスイオンをたくさん含み、こころを穏やかにします。
 大きな自然を目の前にすると、不思議に気持ちはおおらかになり、イライラ・モヤモヤが消えていきます。視界を広くして焦点をあいまいにすると、気持ちがゆったりしていきます。
 逆に小さなものを見続けていると、目と脳の活動は神経質になり、ストレスが増えていきます。
 花粉症や植物アレルギー、日光アレルギーがある方には注意が必要ですが、閉じこもってばかりいないで、自然の中で気持ちを開放させるようにしてください。

考え方をポジティブに前向きに変え
  
気が小さくて心配性の人や、被害者意識の強い人ほど、ストレスのダメージを強く受けます。またアトピーになると、ますます物事を悲観的に考え、被害者意識を強く持つようになります。
 そのため、アトピーの人ほどポジティブな考え方をする必要があります。楽しいと感じたときには、体内でTRH(チトロピン放出ホルモン)など、気持ちを明るくして集中力を高め、体を活性化させるホルモンが分泌されます。すると、体は元気づき、免疫システムも正常になっていきます。昔のヒット曲に「ケ・セラ・セラ」というスペイン語の歌がありました。「なんとかなるさ・・・」という意味で、いかにもラテン系らしい陽気な思考方法です。このように、楽観的に考えるようにすれば、アトピーであることのコンプレックスも消え、アトピーを治す意欲も高まっていきます。

趣味は自己満足ほど効果的

頭では気持ちの切り替えがうまくできないという方には、趣味がおすすめです。絵を描く、手芸をする、音楽演奏、カラオケに熱中、ダンスを覚える、川柳をつくるなど。
感性領域の右脳を使う創作的な趣味は、イライラ、モヤモヤの解消に役立ちます。普段使っていない脳や体を動かすことで、気持ちが切り替わっていきます。
 趣味に浸るときに大切なのは、うまくなろうと思ったり、競争心をもったりしないことです。ヘタでもいいから「自己満足」を大いに楽しんでください。その満足感がストレスを消し去ってくれます。

体を動かすとストレスが消える
  
ストレスを消すには、体を伸ばすのも効果があります。体を動かす筋肉を伸ばしてやると、神経を通じて気持ちよさを伝えるという、不思議な作用がおきます。腕伸ばしをすると気持ちいいのはそのためです。
ウォーキングは考え事で脳に集中していた血液を体に移動させ、脳の思考活動を休ませてくれます。全身の血行促進や、自律神経を刺激して生理リズムを整える作用もします。
 体全体がプラスの方向に向かえば、ストレスへの抵抗力が強くなり、体質も変わって、免疫機能も正常にもどりやすくなります。

ぬるめのお風呂でリラックス
ぬるめのお風呂に長時間入る入浴法がストレス解消に有効です。お湯の温度を37~38℃(汗が出ない程度)のぬるめにします。そのお湯に全身を沈めて30分以上入ります。(必ず全身浴にすること)
 微温のお湯には、自律神経を副交感神経に切り替えて、こころと体を休息に向かわせる作用があります。また、かゆみを鎮める作用もあります。
 保湿効果のある入浴剤を入れると、皮膚の乾燥を防ぐことができます。湯上りのあとは、肌が乾燥しやすいので、必ず三分以内に保湿クリームを塗ってください。
☆ラベンダーの入浴剤には、ストレスの鎮静作用と、肌の保湿作用があります。
 ただし、アレルゲンにならないかどうかを一度試してから、続けてください。

家族間のストレスをなくす

本人のストレスはもちろんですが、家族が与えるストレスもまたアトピーを悪化させます。患者さんが子どもの場合、お母さんがイライラしたり、アトピーのグチをいい続けたりすると、子どもにはその言動がたいへんなストレスになります。
子どもには「自分は病気ではない」という考え方をさせるように配慮してください。そしてなんでもいいからホメてあげてください。
両親の夫婦喧嘩も、子どものストレスになります。アトピーが完治するまでは休戦がおすすめです。

家族関係をやさしくする

家庭こそが安らぎの場。つまり、こころの休まるほっとする場所にすることが大切です。
家庭だからこそ、家族が無条件に共感し合い、いたわり合い、「大変だったね」「お疲れ様」「助かったよ」「ありがとう」「おいしいよ」「頑張ったね」「嬉しかったよ」など、小さなことでもきちんと感謝の言葉を伝ええあうようにしましょう。

ストレスが原因と思う方からのお便りです

◆もともとアトピー体質ですが、22歳のときにものすごく悪化しました。会社の人間関係に悩んでいて、食欲もなく、体重も減り、とにかく会社に行きたくないというストレスが原因で悪化したように思います。(愛知県の主婦・Kさん)

◆発症は10歳ごろ。悪化したのは短大を出て働きはじめてからです。原因は責任の重さ、人間関係のストレスだと思います。(北海道の主婦・Sさん)

◆夫が仕事のストレスが多くなった31歳ごろから湿疹が出はじめました。寝不足や疲れがたまると、かゆみが増すといっています。(中村佳代さん・福岡県)

◆16歳で発症し、子供を出産してからひどくなりました。睡眠不足や育児ストレスが関係していると思います。(愛知県の主婦・Aさん)

◆発症は20歳のとき。結婚後はしばらく治まっていましたが、出産・育児のストレスで悪くなりはじめ、3人目を生んでから回復できなくなりました。(小林一子さん・長崎県)

◆子供の頃からアトピーです。成人になり落ち着いていましたが、結婚後悪化しました。家事と仕事の両方に力を入れすぎたために疲れが取れず、それがストレスになったと思います。(林和美さん・兵庫県)

◆子供の頃からアトピーです。高校生のときによくなったのですが、23歳ごろから顔に出るようになりました。思いあたるのはやっぱりストレスだと思います。(愛知県の主婦・Kさん)
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-25 13:17 | アトピーとストレス

日常生活の注意事項

日常生活の注意事項

◆スキンケア

・ 保湿クリームは、ステロイドの入っていない天然成分のものを選ぶ。
・ 常に保湿クリームを塗り、肌を乾燥させない。(保湿を忘れない)
・ 皮膚の状態の良い時こそ、十分に保湿して良い肌を持続させる。
・ 入浴後(三分以内)の保湿を忘れない。
・ 夜、寝る時にはたっぷりと保湿する。
・ 皮膚をかいて傷つけない。
・ 汗や汚れは早めに洗い落とし、皮膚を清潔に保つ。(細菌を繁殖させない)

◆かゆみ対策

・患部を濡らしたタオルなどで冷やす。
・患部から離れた別のところを冷やすことにも、かゆみの気持ちを鎮める効果がある。
・静かに呼吸して気持ちを落ち着かせる。
・<気持ちを落ち着かせる呼吸法/000頁>
・ 気をまぎらわす方法を見つけて、それを実行する。 
・ 爪をよく切っておく。

◆生活意識

・ 自分のアトピーは自分で治す、という気持ちを持つ。→ お医者さんは自分自身。
・ なるべく、物事を前向きに考える。
・ 劣等感を持たない。
・ 自分は病気じゃない、と思うようにする。

◆ストレス対策

・ ストレスをかわす。ためない。
・好きな音楽などでストレスを消す。
・ アトピーであることを気にしない。
・ 家族が神経質にならない。(イライラしない)

◆入浴

・ 熱いお湯に入らない。
・ 保湿性のある入浴剤を入れて、ぬるめのお湯にゆっくり入る。
・ 石鹸やシャンプーは天然成分のものを選ぶ。
・ ゴシゴシとアカスリをしない。
・ 石鹸をよく泡立て、柔らかいタオルで汚れを落とす。
・水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避ける。
・ 湯上りにゴワゴワしたバスタオルを使用しない。
・ 入浴後、三分以内に肌に保湿クリームを塗る。

◆食事

・ アレルギーを起こす食品を避ける。
・ジャンクフード(スナック菓子)、インスタント食品、インスタント調味料などはできるだけ食べない。
・脂肪の多い肉類、揚げ物などを減らす。
・白砂糖、清涼飲料水、スイーツなどを減らす。
・冷たい飲み物、食べ物を避ける。
・ 強い香辛料やお酒は避ける。
・ 塩分の強い食べ物は避ける。

◆お化粧・ヘアケア

・ 化粧品、ヘアケア用品は天然成分、低刺激のものを選ぶ。
・ アレルゲンにならないか、試してから使う。
・毛髪が皮膚炎に触れないヘアスタイルにする。(ショートカットやアップ等)
・毛染め剤は避ける。
・マニキュアをしない。

◆衣類

・ 肌着はコットン(木綿)やシルク(絹)などの天然繊維がおすすめ。
・ 化学的な加工処理をしたものや、化繊の肌着はやめる。
・新しい下着は使用前に必ず水洗いしてから着る。
・肌着は縫い目で皮膚を刺激しないように裏返しに着る。
・ウールや化繊などの毛羽立った衣類を避ける。
・チクチクと肌を刺激する衣類は避ける。

◆寝具

・ アレルゲンの無い寝具を使用する。
・ シーツやカバー類は、コットン(木綿)を使用する。
・ 一週間単位で洗濯し、清潔を心がける。
・ 喘息がある場合は、まめに繊維ボコリを取る。
・ 寝具を日光にあてて消毒する。

◆インテリア

・ 防汚加工や防ダニ加工などの化学薬品の処理をしているソファやカーペット、カーテンなどは使わない。
・ ヌイグルミなどの繊維製の玩具を使わない。

◆室内環境

・室内を清潔にして、室温は暑くもなく寒くもない程度の温度に保つ。
・冬の間は、室内の湿度を60~70%にして肌を乾燥させない。
・ こまめに部屋の掃除をしてハウスダストを無くす。
・ 部屋を閉め切らずに風通しを良くする。
 
*住宅の内装材(新建材や壁紙)やカーテン、カーペットなどには様々な化学物質が使われています。その化学物質はシックハウス症候群の原因になります。そのため、部屋の改装や引越しをする時には、数日間に渡って部屋の窓を開け、換気を十分にして化学物質を除去してから入居しないと、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。また、妊娠中の胎児や、新生児がアトピー体質になる可能性があります。

◆その他

・洗剤は天然成分のものにして、合成の界面活性剤は避ける。
・ シンナー、化学接着剤、化学殺虫剤などの使用を避ける。
・ 塩素殺菌しているプールや、温浴施設の利用は止める。
・ アレルゲンのない職業を選ぶ。
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-25 12:59 | アトピー・日常の注意事項

アトピーを自分でなおす

アトピーを自分でなおす-1

ドイツでは治るのに、
日本ではなぜ治らないの


日本では、アトピー性皮膚炎は治すのがとても難しい病気の一つです。皮膚科でクスリを処方されても、再発をくり返して、だんだん症状を悪化させて20年も30年もアトピーの症状に苦しんでいる方が大勢います。
一方、ドイツの医療ではアトピーは完治できます。また、アトピーの症状に何年も悩み続けたり、皮膚をケロイド状にしている方を見かけることはほとんどありません。この二つの医療の違いはどこにあるのでしょうか?
日本のお医者さんたちは、なぜ治せないのでしょうか?

アトピーは皮膚科だけの病気ではない

日本の病院の多くは、アトピー性皮膚炎を免疫の混乱による「皮膚の炎症」という表面的な捉え方しかしていません。そのため、原因の本質を捉えようとしない傾向にあります。そしてほとんどの場合は、皮膚科が担当し、ステロイド軟膏が処方されるだけで、根本原因の改善に手がつけられることはありません。渡されたステロイド軟膏で皮膚炎は一時的に改善しますが、やがてそれも効かなくなり、再発をくり返して皮膚がケロイド状に悪化してしまうケースがとても多いのが現状なのです。

アトピーには複数の要因がある

アトピー性皮膚炎は「皮膚科」と「ステロイド軟膏」だけに任せておけば、治せる病気ではありません。症状は皮膚に出ますが、その「発症要因」は別のところにあります。
ドイツのアトピードクターは、アトピー性皮膚炎は「アトピー体質」「ストレスに弱い性格」「悪い食生活」「身の回りの化学物質」「乾燥肌」などが重なって発症すると考えています。
・アトピー体質 (アレルギー体質)
・ストレスに弱い性格 (神経性不安症)
・悪い食生活 → アトピー体質や乾燥肌の原因になる
・身の回りの化学物質 → 体質を悪くし、免疫を混乱させる 
・乾燥肌 → 皮膚の免疫システムが異状になる
つまり、アトピーは皮膚科以外の大きな要因が重なって起きているのです。そのため、ドイツのアトピードクターは、治療にはこれらの問題を同時に解決していくことが大切、といいます。
そこで、今号から数回にわたり、アトピーの根本治療についてお話をしましょう。

アトピー体質

アトピー体質とは、アレルギー反応をくり返す体質をいいます。アトピー体質がもとで発症する病気には、アトピー性皮膚炎、小児喘息、花粉症などがあります。これらのアトピー性疾患は症状の出る場所が異なるので違う病気のように見えますが、どちらも免疫の混乱によって起きる症状で、原因には共通性があります。
アトピー性皮膚炎や小児喘息を乳幼児の段階で発症する場合は、妊娠中の母親の悪い食生活や、生活環境の中の化学物質が胎児の体質に悪影響を与えたことが原因の一つです。また、生後も子育て中の食生活が悪かったり、住まいの内装材やインテリア製品に化学物質が多く使用されていたり、マニキュアなどの溶剤のシンナーを使ったりしていると、赤ちゃんの免疫システムや体質を狂わせる可能性が高くなります。
アトピー性皮膚炎を根本的に改善するためには、このアトピー体質を変える必要があります。そのためには、「食生活の改善」と「身の回りの化学物質」を減らすとことが不可欠になります。(次回に続く)



アトピーを自分で治す-2

◆アトピーの発症要因
・アトピー体質 (アレルギー体質)
・ストレスに弱い性格 (神経性不安症)
・ストレス
・悪い食生活 → アトピー体質や乾燥肌の原因になる
・身の回りの化学物質 → 体質を悪くし、免疫を混乱させる 
・乾燥肌 → 皮膚の免疫システムが異状になる
・弱い基礎体力 

アトピーとストレス

アトピー性皮膚炎には、発症にも、発症後の悪化にも、ストレスが大きく関わっています。ストレスは、免疫システムを狂わせ、肌の健康状態をさらに悪くしていきます。また、イライラや緊張が続くとかゆみがひどくなります。その理由は、緊張や興奮によって皮膚の毛細血管の血流が高まり、かゆみの神経を敏感にするからです。ストレスはかゆみや症状を悪化させる大きな要因なのです。
ドイツのアトピードクターのシュレップル博士によると、アトピー性皮膚炎の患者さんは、とりわけストレスに対する抵抗力が弱い特徴があり、次のような性格の共通性があるといいます。
・気が小さい
・内向的
・頑固
・自己中心的
・被害者意識が強い
つまり、普通の人よりもはるかに強くストレスのダメージを受けやすいのです。そのため、ドイツのアトピー治療では、何よりも「ストレスの解消」に重点を置いています。

発症後のストレスが
さらに症状を悪化させる


ドイツのアトピー治療をご紹介した「アトピー肌を自分でなおす」を読まれた患者さんから、メールや電話で問い合わせがあります。その方々のほとんどは、いくつもの病院を渡り歩き、またさまざまなことに挑戦してきていますが、それでも治らないので思い切って問い合わせした…といいます。
その方々にいくつかの質問をして気付いたことがあります。
それは、発症してからのストレスがより複雑で、患者さんのこころに大きくのしかかっていて、アトピーをさらに悪化させている…ということ。
発症後のストレスとは次のようなものです。
①カユミが我慢できない
②夜、グッスリと眠れない
③人前に出るのがはずかしい
④アトピーになって家族関係がうまくいかなくなった
⑤医師が自分の悩みを聞いてくれない
⑥将来が不安 など等。

アトピーが原因で家族崩壊

ドイツとは違い、日本の病院(医師)は薬を渡すだけで、ストレスのコントロール法や、家族関係のついて指導してくれることはほとんどありません。
病院や医師が頼りにならなければ、唯一頼れる相手は「家族」ですが、アトピーの発症によって家族関係がうまくいかなくなった…という方がとても多いようです。子供がアトピーの場合は、父親は母親まかせにして逃げてしまい、その結果、夫婦関係に溝ができたり、母親はまた、アトピーの子供に対して「あれをしてはダメ、これをしてはダメ」と神経質になりすぎたり、また、アトピーの話をすると、家族の表情が暗くなってしまい、患者さんは身の置き所がなく「自分さえ居なければ…」と、落ち込んでしまうことが多いそうです。イチバン頼りにしたい家族関係がストレスの一つになってしまうなんて、とても不幸なことではありませんか?(次回に続く)

  

アトピーを自分で治す-3

アトピーと化学物質

 昭和30年頃には、日本にはアトピー性皮膚炎や花粉症などの、免疫の異状による患者さんは殆ど居なかったといいます。それが経済成長につれて、食品が変化したことや、身の回りにさまざまな化学物質が増えたために、免疫の異状が起こりやすくなったと考えている専門家がたくさん居ます。
 日本では、1960年代に農作物に「農薬」が大量に使われました。1970年代には、家庭内で噴霧式の殺虫剤が無造作に使われています。スーパーマーケットの登場によって、化学系の食品添加物を使用したインスタント食品や加工食品の品数が増え続けました。石油を原材料にした日用雑貨も大量生産されました。また、都市への人口集中によって大量の住宅が必要になり、さまざまな新建材が開発されて、住宅にも多くの化学物質が潜むようになってしまいました。
 つまり、戦後の50年間の間に、私たちの身の回りは大量の化学物質で汚染されてしまったのです。その結果、アトピーの患者さんは増え続けて、現在、日本ではアトピー性皮膚炎や、喘息、花粉症などの、いわゆるアトピー性疾患を抱える方は、5人に1人とも、3人に1人ともいわれる程です。

身の回りの化学物質を減らそう

化学物質は免疫システムや自律神経などにとても悪い影響を与えます。また、胎児や幼児をアトピー体質にしてしまう危険性があります。
アトピー体質を改善するためには、必要なことがいくつかありますが、まずは身の回りの化学物質を少しでも減らすようにしましょう。

◆室内環境・インテリア
・住宅の内装材(新建材や壁紙)やカーテン、カーペットなどには様々な化学物質が使われています。その化学物質はシックハウス症候群の原因になります。そのため、部屋の改装や引越しをする際には、数日間に渡って部屋の窓を開け、換気を十分にして化学物質を除去してから入居すること。
・新築の場合は、できるだけ天然素材を使用する。
・ 防汚加工や防ダニ加工などの化学薬品の処理をしているソファやカーペット、カーテンなどはできるだけ使わない。
◆食事
・野菜や果物は低農薬(無農薬)のものを選ぶ。
・ジャンクフード(スナック菓子)、インスタント食品、インスタント調味料などはできるだけ食べない。
・清涼飲料水、スイーツなどを減らす。
・カップ麺の容器に直接、熱湯を入れない。
・アルミ缶やペットボトル入りの酸味のある飲料は避ける。
◆お化粧・ヘアケア
・ 化粧品、ヘアケア用品は天然成分のものを選ぶ。
・化学染料の毛染め剤を使用しない。
・マニキュアをしない。
◆衣類
・ 肌着はコットン(木綿)やシルク(絹)などの天然繊維がおすすめ。
・ 化学的な加工処理をしたものや化繊の肌着を避ける。
◆寝具
・ シーツやカバー類はコットン(木綿)製を使用。
◆その他
・台所洗剤、洗濯洗剤は天然成分のものにして合成の界面活性剤は避ける。
・ シンナー、化学接着剤、化学殺虫剤などの使用を避ける。
・塩素殺菌しているプールや温浴施設の利用は止める。

妊娠中は特に注意を

アトピー性皮膚炎や小児喘息が乳幼児期に発症する場合は、生まれながらのアトピー体質が原因です。アトピー体質で生まれてくる赤ちゃんは、妊娠中のお母さんの悪い食生活や、生活環境の中の化学物質などが胎児の体質形成に悪影響を与えたことが原因といえます。したがって、妊娠中はスナック菓子や清涼飲料水、ケーキ類、インスタント食品などをできるだけ避けるようにしましょう。
 また、シックハウス(住宅・インテリアの化学物質)症候群にも十分に注意しましょう。(次回に続く)



アトピーを自分でなおす-4

乾燥性皮膚炎の改善方法

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っており、そのササクレによってかゆみを感じる神経が成長し、敏感になっています。そのササクレに異物が入り込んだり、あるいは皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経が敏感に反応してかゆみが起きます。
ちなみに冬にひどくなる方が多いのは、寒くなると発汗が減って肌の乾燥が進み、ササクレがさらに悪化するからです。また強いストレスを感じるとかゆみが起きるのは、皮膚の血流が増えてかゆみの神経を目覚めさせるからです。
つまり、かゆみのイチバンの原因は「乾燥肌によるササクレ」にあります。また、乾燥肌の原因は「皮脂」の分泌能力が低いからです。乾燥肌は体質ですから、簡単に治せるものではありませんが、ササクレは防ぐことができます。それは、皮脂の代わりに「油分」で乾燥肌をタップリと保湿し、シットリ肌にしてあげることです。
これから夏にかけて、肌質を変えるには絶好の季節です。かゆみが軽減したからといって手抜きをせずに、夏こそ、しっかりと保湿を続けるようにしましょう。

入浴+油分+睡眠で、皮膚が生まれ変わる

乾燥肌をシットリ肌に変えるためには、次の五つがキーポイントです。
①表面の古い角質(皮膚の表面細胞)を入浴で落とす。
②長時間入浴で角質に水分を含ませる。
③湯上りの水分を含んだ角質をオイルで保湿する。
④肌の水分の蒸発を防ぐために、衣類でカバーする。
⑤ぐっすりと眠り、新しい皮膚細胞の生まれ変わりを促す。

これを実行するためには「入浴」と「オイルの保湿」と「睡眠」の組み合わせが必要です。睡眠がキーポイントというと意外に思われるかも知れませんが、炎症の無いきれいな皮膚(細胞)の生まれ変わりは睡眠中にしか行われないからです。

保湿オイル
 
保湿オイルは次のどれかを試してみて、これが自分に合っていると思うものを使用してください。  
①植物性グリセリン、あるいは、白色ワセリン
薬局で買えます。劣化を防ぐために容量の少ないものにします。
②馬油ローション
 無添加のものを選んでください。試してみて、アレルギー反応が出ないものにしてく
ださい。
③自分が現在使用しているオイルで問題がないもの(非ステロイド系)
ほかにもいくつかの保湿剤を試してみて、皮膚炎の症状が悪化しないものを選んで
ください。

睡眠前のお手入れ方法
①ぬる目のお風呂にゆっくりと入ります。
②古い角質を柔らかいタオルと石鹸で軽く洗い流します。強いアカスリはカユミを招くので禁止です。
③体を洗った後も浴槽で角質を十分にゆるめるようにしましょう。熱いお風呂は入浴後にカユミが起きるので禁止です。
④湯上りは、肌に水分が残るように体をさっと拭くだけにします。目の洗いバスタオルは使わないでください。
⑤皮膚が湿っている間に、炎症部分に保湿オイルをたっぷり塗ります。必ず、湯上りの三分以内に塗ってください。その理由は、湯上りの肌は皮脂が無くなっているので、とても乾燥しやすいからです。保湿オイルはタップリ塗るのがポイントです。
⑥体の炎症には、オイルを塗った上に長袖の肌着を着て患部をカバーしてください。肌着は裏返し(縫い目を表側)に着ると肌を刺激しません。素材はシルクか木綿がおすすめです。
⑦首の炎症には、ベビー用のガーゼタオルなどの柔らかい布でネックカバーを工夫してください。
⑧手の炎症には、手袋でカバーしてください。
⑨顔には、化粧用のフェイスマスクを使用してください。ただし、化粧水などを含まないものを選んでください。
(次回に続く)



アトピーを自分でなおす-5

「ドイツの自然療法・アトピーを自分でなおす」をお読みいただいた方から、たくさんのメールやお電話をいただいています。そこで気が付いたことがあります。メールやお電話をいただいたのは全て女性でした。また、男性の患者さんの場合は、全てお母さんからのお問い合わせでした。本の表紙が女性的であることも関係しているとは思いますが、お問い合わせいただいたお母さんたちがおっしゃるには、本を読むように勧めても、男性の患者(息子)さんの場合は見向きもしないそうです。中には「そんなものが信用できるか」と本を捨ててしまったケースも多いようです。女性は治すための情報収集に熱心で、一方の男性は人間(情報)不信の傾向が強いことがうかがい知れます。

積極的に治そうとするのは
女性に多い


お問い合わせいただいた女性には、病院の「クスリ」に頼るだけではなく、自分自身でも何かをしなくては…という意思がとても強く感じられます。そのため、治すための情報集めにとても熱心です。毎日のスキンケアはもちろん、食事の改善、ストレスのコントロール、適度な運動などを組み合わせて、皮膚炎の治療だけではなく、心身全体の改善に取組んでいる方が多く見受けられます。また、メールで経過の報告や、改善していく様子などを定期的に報告してくれます。中には、ドイツのアトピー治療法を読んで、「自分がやろうとしていることに間違いは無かった。やっと治せる希望が持てた…」と、ご報告してくれた方もいらっしゃいます。

男性には引きこもり型が多い

一方の男性の場合は、長年お母さんに、あっちの病院、こっちのクスリと、あちこちに嫌になるほど連れまわされ、それでも治らずに、年齢と共に悪化していき、ついには仕事もできなくなり、家に引きこもっている…という方がたくさんいらっしゃいます。その結果、母親も病院も、増してや「アトピー本」も信用できなくなり、どんどんと孤立していくようです。そのため、アトピーというタイトルを見るだけでも拒絶感が生まれてしまうそうです。
また、病歴の長いアトピーの患者さんを持つお母さんの多くは、さまざまな「」アトピー情報」について、実に良く知っていらっしゃいます。そして多くの方々は、期せずして同じ病院、同じ医師、同じ温泉などを巡っていらっしゃいます。中には「私はアトピーに関しては百科事典より詳しい」と誇示するお母さんもいらっしゃいます。しかし、いかにお母さんの知識が豊富でも、息子さんのアトピーは治らずに、十年以上も家に引きこもり続けているそうです。その上、どんどんと「自己流の治療法」に落ち込んでいっているようです。
ちなみに、女性の場合には「自分で治そう…」という能動的な意識が強いのに対して、男性の場合は「何かが治してくれる…」という受容的な意識が強いように見受けられます。

日本のアトピー治療はどこかおかしい

昨年、アトピー治療に真剣に取組んでいる全国の著名な医師のグループが主催する「アトピー・シンポジューム」を聴講しました。ある医師は「漢方薬を処方している」、ある医師は「食事療法を勧めている」、ある医師は「ストロイド薬の上手な使い方を指導している」、ある医師は「ストレスコントロールを勧めている」などと、8人の医師がそれぞれのやり方を発表しました。しかし残念ながら、その全てを行っているという医師は1人もおりませんでした。シンポジュームには日本を代表する大学病院の皮膚科の部長教授も参加していました。
医師の発表が終わり質問の時間になると、60歳代の男性が壇上の医師たちに向かって「私は長年、医師の指示に従って治療してきました。その結果がこうです」と、半ばケロイド状の上半身を見せつけました。続いて40歳代と思われる男性もまた「自分たちは医師を信用し、医療費を支払い、医師の勧める治療をしてきました。その結果がこうです。私たちはエイズワクチンの被害者と同様に、医療被害者ではありませんか…」と自分の肌を見せました。会場は騒然となり、壇上の医師たちは一言も発せなくなり、凍りついたままでした。そして、聴講したアトピーの患者さんたちは、何の希望も見出せないまま、空しく去っていくしかありませんでした。
アトピーの改善には、トータルな治療が必要なのに、なぜ、日本の医師はそのことに気付かないのでしょうか?なぜ、ステロイド薬を安易に使用してしまうのでしょうか?
(次回に続く)
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-25 12:43 | アトピーを自分でなおす

長岐俊彦・プロフィール

長岐俊彦
医療ジャーナリスト

MD研究所 代表。 1942年生まれ。
グラフィックデザイナー、雑誌編集者を経て、マーケティングプランナーとして店舗開発や生活用品、住宅設備などの開発に携わる。
アメリカやヨーロッパ各国の小売業や商品の調査を続ける。
1990年頃より、人体に直結する商品の開発のために生理学・医学関係の資料収集に従事。
1995年、ドイツ・ベルリン自由大学医学部自然療法科/マールテ・ビューリング部長教授に出会い、自然療法と自己治癒力を引き出す医療について関心を抱く。
それ以来、ヨーロッパの医療専門家や、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、ギリシャなどの医療のための保養地を訪れ、自然療法、生活療法の実際や、病気別の治療法の調査を続けている。

著書/ドイツの自然療法・生活療法「治す力」、ドイツ自然療法「アトピー肌を自分でなおす」など。

●ホームページ「治す力」で、ヨーロッパの自然療法、生活療法の情報を発信中。

日本語検索は、以下でアクセス可能です。

治す力
治す力 ドイツの自然療法
治す力 長岐俊彦

●ホームページ「ドイツの自然療法・生活療法を訪ねる」も、あわせてご覧ください。

●現在、ドイツの治療プログラムを基にしたアトピー相談室を開設中。

MD研究所 アトピー相談室
〒135-0004 東京都江東区森下4-9-4-1401
電話 03-5600-4511
問い合わせメール  nt1401@mopera.net
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# by nagaki-toshihiko | 2010-07-25 12:35 | 長岐俊彦・プロフィール

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